療育の待合室で。


いつも1時間くらい早めに来ている母子がいました。



お母さんは、一生懸命、

3歳児の子どもに、アルファベットの書き方を教え、

おはじきのようなもので、

足し算、引き算を教えていました。



お母さんは熱心に、


「あ、hのここは長くしないと、これじゃnよ。

違う違う。


はい、最初からやり直し。


よく聞いて。


ほら、この違いを見て。」




「おはじきを数えて、

引き算よ。


いくつ余った?


数えればわかるでしょう。」






熱心なお母さんだな、すごいな、と思う同時に、



子供が辛そうだな…と感じました。



子供はグズグズ泣きながら、やっていました。


あちらの母子は、私の子供の後の時間に療育を受けるようですが、


1時間早くいらして、待合室でお勉強をしている為、私と待ち時間がかぶります。



恥ずかしい話ですが、

あの1時間は、私にとっての唯一の、

子供が1人減る休息時間でした。


小さなプレイエリアや絵本があったので、

2番目と3番目の子供を遊ばせながら、


私はホッとして、コーヒーを飲んだりしていました。




それなのに、あちらのお母さんは、私のように、怠けず、熱心ですごいな。



あちらのお子様は泣きながら、


「もう今日はがんばったから、

お家に帰ったら、やらないでいい?」



「ダメよ、夕飯後はまた少しお勉強しなきゃ。」




え…


お家でもお勉強するんだ。



ふと気づいたら、

情けない話ですが、



私はお勉強らしきことを子供にしてあげておらず、絵本を読むくらいでした。


その後5歳になり、日本から取り寄せた本で平仮名を教えましたが、

アメリカ暮らしの子供たちは、


ある日、突然見せられた平仮名を、字と認識できませんした。


周りには日本語の読み書きが存在しない世界に生きていたからです。



その為、お勉強ノートはやめて、アンパンマンのDVDに切り替えて、

アンパンマンに遊びながら、平仮名を教えてもらいました(笑)





療育後のフィードバックの時間になり、

私はジャネット先生に呼ばれました。



私はつい、

「あちらのお母さん…すごいですね。

私も少しは子供に勉強を教えた方がいいかな…。恥ずかしい話ですが、遊んでばかりで、

全然お勉強はしていないので。」




ジャネット先生は小声で、

「あのお母さんには、ダメよと伝えているんだけどね…。

お母さんは先生になってはいけないの。

子供にとっては、お母さんでいないと。


足し算や引き算、アルファベットは

3歳児ではなく、


小学校入学時にだいたい子供が自然にできるようになるもの。


早く教えても、全く効果はないの。


遊んでばかりでいい、

まだ3歳児。


お勉強は、中学、高校に入ればイヤというほどやらされるんだから、


3歳は思いきり遊ばないと。」





そうか、やらなくていいんだ…。



私はそれから、あの待合室で、

あちらのお母さんのお勉強と、

お子さんの半泣きが辛くなり、


一年ほどあの待合室では待たず、


近くのマクドナルドのプレイエリアに下の子供2人を連れて待つようになりました。


プレイエリアで遊ばせながら、のんびりコーヒーを飲みました。



一年ほど経った日…


あの待合室に行くと、

あちらの母子が相変わらずお勉強をされていました。


私は思わずビックリしていました。



足し算も、引き算も、

お子さんは一年前と

ほとんど変わらなかったからです。



ジャネット先生がおっしゃったように、


3歳児や4歳児には吸収できないものなのでしょう。



小学校入学時頃までに、子供が自然に覚えていくもの。




しかしあちらのお母さんは必死でした。


我が子を愛するあまり、

本当に一生懸命なんですよね。


(私が見習わなければならない点もあると思います。)



我が子を何とか守ろうとする結果、

逆のことをしてしまう…


子育ての難しさですね。





以前、こちらにも書きましたが、

私は子供に一切、教えていないのに、


2番目の子供は、

1歳11ヶ月でアルファべットを読んでいました。


何故かOは、

「まる!(日本語)」

「ボール!(英語)」


でしたが。


夫と、「この子、天才かも!」と喜びましたが、


今は日本の学校で、

漢字テストは赤点です(笑)


通知表の国語は…😱で、

英語は…😅です。