8年間別居していた夫の両親。
「お母さんが…今夜、
お父さんを、お母さん家に泊めるって。」
…ふーん
私と夫は、ホテルへ退散しました。
とても複雑そうな夫。
別のある日、
夫とアメリカ映画「恋するベーカリー」を観ていたら、
『離婚したお父さんとお母さんが、
実はデートをしていた…』
という展開が映画でありました。
3人の成人した子供たちは、
普段からお父さんともお母さんとも仲良しで、
お父さんが今の奥さんに追い出された時は、
「お母さん、お父さんがかわいそうだから、うちに泊めてあげて。僕の部屋でいいから。僕はソファで寝るよ。」と言うほど。
だからお父さんとお母さんの復縁に、子供たちらさぞかし喜ぶかと思いきや、
子供3人とも、
ショックを受けて家出をしました。
え?何で?
大好きなお父さんとお母さんが復縁したら、
子供たちは喜ぶのでは?
そんな感想を夫に言ったら、
「そんなわけないじゃん。
親の離婚では、
必ず
子供は平気なフリをするが、
内心はめちゃくちゃ傷ついている。
子供は、親の離婚を望んでいるフリをしたり、
お母さんに離婚をすすめたりするが、
それはお母さんが、望んでいることだから、あえて子供は、お母さんに合わせるフリをする。
それなのに、両親が復縁するなんて、
子どもたちが
“必死で我慢して平気なフリをした経験”は、まったく無意味な苦しみだった…と突きつけられるから。
離婚は充分、
大人の勝手だ。
浮気、ケンカ、DV、依存症、借金、性格の不一致、
どれも大人の勝手だ。
そこで一度、子供たちは
「親の離婚を賛成するフリ」をして、
子供の心は一度死んだ。
立ち直れないダメージを受けながら、必死で平気なフリをした。
母親の
『うちの子が、離婚に背を押してくれた。』
『うちの子が、父親をいらないと言った。』
子供である僕は必死でそういうフリまでした。
ただ、お母さんは離婚の正当性を語るのに、
子供たちの「フリ」を引用しないでほしい。
それなのに、今度は復縁や再婚なんて、
僕たち子供は、
いつまで大人の勝手に振り回されて、
苦しめられ、
応援するフリ、
喜ぶフリをまたしなければいけないのか。」