夫のおばあちゃん家で。


夫の父が、

「お隣のレイモンド夫妻に、ご挨拶に行きなさい。」



「わかった。」



レイモンド夫妻は、おじいちゃんおばあちゃん家のお隣さんで、まさに親友、家族ぐるみの仲。


おじいちゃんおばあちゃんと同世代なので、

同じく高齢でした。



レイモンド夫妻の家に行くと…


にぎやかでした。


感謝祭の翌日、


レイモンド夫妻の家には、

レイモンド夫妻の

子供、孫、ひ孫で溢れて…


アメリカの典型的な中間層の一軒家に、30人くらい家族があふれていました。


あまり年が変わらない孫やひ孫が、庭で走り回り、子供にあふれていました。



これが本来の

ザ・感謝祭






夫の家族の感謝祭は、何もかもバラバラで、

夫と父、夫の両親のケンカも起こり、悲しかったです。


夫の家族は、離婚や別居で、家族がバラバラになっているので、どの家でも人が少ないのです。


赤の他人の私でも、夫の家族の中にいると、もの悲しかったので、当の本人たちはもっと寂しいのでしょうか?




レイモンドご夫妻は、

夫と私、私の子供たちを見て、

とても喜びました。


血のつながりのないこちらの方々に、

誰よりも喜ばれた気がします。



やはりレイモンドご夫妻の家も、リビングに家族写真が沢山飾られていました。


私の夫の家族写真は、なぜか夫と弟の「きょうだい2人」のものしかありませんでしたが、


レイモンドご夫妻の家族写真は、

家族にあふれていました。



「これが長男の結婚式。こっちが次男で、こっちが長女。」



「孫息子の結婚式。

この孫息子は、次男の次男で、

こっちの孫娘は長男の三女の結婚式で…。」



「これはひ孫の〇〇が野球で表彰された時に…。」



美しい家族写真を眺めていると、奥様に嬉しそうにご説明されましたが、幸せなアメリカ家庭あるある、孫、ひ孫が多すぎて覚えられない(笑)




レイモンドご夫妻は、繰り返し夫と私に言いました。


「あなた(私の夫)が生まれた時、

私たちも病院に行って、あなたを抱っこしたのよ。

あれから26年も経つのね。」



「あなたのおじいちゃん(血のつながりはない夫のステップ・グランドファザー)が、

あなたの誕生を本当に本当に喜んでね。


私たち、あなたのおじいちゃんとはずっと仲が良かったから。」



そこで言われた言葉。


「あなたのおじいちゃんの最期は肺ガンの末期で、朦朧とする意識の中、ルークの名前をよく呼んでいたわ…。」


血のつながりのない、おじいちゃんと孫。


夫が本当に好きなのは、

というより唯一好きな家族は、

この血のつながりのなかったおじいちゃんでした。