アメリカでは、3LDKの一軒家の米軍住宅を借りました。
しかし借りてすぐに、本当に困った出来事がありました。
「他の物件も見たい。」という私に、
「もうここしか空いていない。
ここなら、一ヶ月14万円のところを13万円にしてくれる。」
節約が好きなのは私の方で、
アメリカ人の夫は節約の概念がほとんどありませんでした。
夫は早く決めたかっただけです。
入居してすぐ、お隣の奥様に挨拶に行くと、
お隣の奥様はちょうどご主人が定年まで務め上げられ、
晴れて退役をされるとのことで、とても幸せそうでした。
一般的に米軍人は20年勤務で定年退職となります。
早い方は38歳で定年退職をし、
毎月20万円ほどの恩給をもらいながら、
警察官、刑務官、海上保安官、空港職員など、退役軍人用の再雇用で、再就職をします。
まだまだ38歳、人生はこれからですよね。
まだお若い30代の奥様、
これからはご主人が特殊勤務で家を開けることもなく、「ずっと一緒にいられる、子供達も喜んでいる。」ととても幸せそうでした。
私はとてもうらやましかったです。
夫はまだ若く、あと13年ほど兵役が残っていました。
夫の退役までまだまだ長いなぁ…あの時はそう思いました。
夫は今年38歳、
今年、退役できるはずでしたね。
ところでその時、奥様にとんでもない忠告をされました。
「あなたのお家は、ゴミ屋敷だった。
あなたよりも若い米軍夫婦が住んでいたが、
二人は精神を病み、ゴミ屋敷にした。
きちんと不動産屋さんに連絡して、きっちり消毒をしてもらいなさい。」
「えっ、全く知りませんでした…。
もう入居手続きも済んで入居した後だから、消毒は手遅れかも。」
ゴミ屋敷か…。
ゴミ屋敷なら、良かったです。
実は、
事故物件でした。
私たち家族全員が寝ていた主寝室で、
人が亡くなっていました。
精神を病んでゴミ屋敷にした
若い米軍夫か、
その奥様のどちらかです。
残念ながら、人が亡くなっていたと知ったのは、4年間も住んで、引っ越した後でした。
3LDKでしたが、1年後に子供が増えたので4LDKへの引っ越しも許可が出ましたが、引っ越し作業が面倒だったので、私が断ってしまいました。
しかも。
私の一番上の子供が今、言うんです。
「ママ、あのお家、
オバケ屋敷だったよ。
ずっとオバケがいた。」
上の子供は当時、発達の遅れがあり、会話があまりできませんでした。
しかし夜泣きは治りませんでした。
中学生になって日本にいる今でも毎日、悪夢を見ています。
私はオバケを信じてはいませんが、
子供の言うことを否定はできません。
ただ事故物件だったことは子供には絶対に言っていないのに、子供は言うんです。
「あのお家で、過去に誰かが死んでいたと思う。」
私の夫はあの家で精神を病みました。
しかしそれはオバケのせいではありません。
いっそオバケのせいなら良かったな。
お祓いして、治してもらえる気がするから。