2020年9月、
向精神薬の副作用の大騒動の後から、イライラしだす夫。
夫は本来、とても穏やかで優しい人でした。
ちょうどその時期、
夫の目の焦点が合わないことがありました。
めちゃくちゃこわいです。
しかし私は、確信していました。
夫が、2015年5月にアメリカから日本に戻り、
市販薬せき止め薬を断ち、クリーンになって、5年半。
夫こそが、
一番、
薬物依存症の地獄を知っています。
夫は以前、言いました。
「薬物依存症は、地獄だよ。
『薬を飲みやがって、ハイになりやがって。』
と思われるが、違うんだ。
本当に本当に、地獄だよ。
『飲みたくない、飲みたくない。』
と大泣きしながら、
毎日、薬に手を出す。
薬物に完全に、
体と心がコントロールされ、
僕自身は『飲みたくない』と泣き叫んでいる、
毎日、毎日、
自殺を繰り返す
恐怖だよ。」
だから私は、
「夫が、また薬を再使用することはない。」と思っていました。
まず夫は、以前と状況が違います。
夫は、大好きな日本で、
もう「アメリカにいた時のパパ」ではないはずです。
日本に戻り、
夫は、また優しい夫、優しいパパに戻っていました。
アメブロの皆様には、信じがたいでしょうが、
私には、
夫が一番大切にしているものは、
子供と、妻である私
というものは、わかっていました。
「いやいや、妻子が大切なら、もともと薬物なんか乱用しないだろう。」
↑そう思われるでしょう。
しかし、本当に本当に、
夫の一番大切なものは、
子供たちと、妻である私でした。
それが薬物依存症の残酷さだと思います。
何故なら、一番、大切に思っている家族を崩壊させてしまうんですから。
そんなある日、2020年9月終わり。
当時
第1子 小学5年生
第2子 小学4年生
第3子 小学2年生
夫 35歳
洗面所の、洗濯機の隣に置かれた夫のズボン。
私は、
洗濯をしようとして、夫のズボンのポケットに手を入れたのか、
それとも何か悪い予感がして、手を入れたのか、
そこだけが曖昧です。
でもきっと後者でしょうね。
夫のポケットの中で、
ゴツン、
と固いものに手が触れました。
その瞬間、
私は、
ダメだ、ダメだ、
これはまずい。
そうハッキリ、感じました。
私が夫のポケットの中から、
取り出したものは、
市販薬せき止め
エスエス ブロン錠
私は、生きていて初めて、
その場にへたり込む、
そういう経験をしました。



