すいらん小説 -2ページ目

すいらん小説

基本小説



みなさんお久しぶりです!




今回は、沢口くん目線のお話となっております!



では、早速本編へ!










「あーあ悔し〜」


秋斗は怠そうにサッカーボールを蹴る

「ん?さっきの試合の結果か?」

俺は秋斗からパスされたボールを受け取り、優しく秋斗に蹴り返す。


「んーわかんねえ」

浮かない表情で秋斗は小さくこぼした。


俺は秋斗から蹴り返されたボールを自分の足の下で留め、グラウンドを見渡した。

「ったく。中田先生いつまでペア練習させるつもりだよ」

俺がそう言うと


「あおくんはさ〜いいよねえ」

突然俺の名前を秋斗が呼ぶ。

「なにが?」聞き返すと

少し悲しげな表情をした秋斗。


「あんな可愛い彼女もいて、それでいてなおちゃんにも好かれてる」

小さな声で秋斗はそう言うと、苦笑いした。


「い、いやいや。好かれてるかどうかなんて確証ないじゃん!  それに俺は広瀬さん以外興味がないから


俺は秋斗に気を使ってか、ながながと喋る。

秋斗は表情を変えずに言う。

「でもなんでかなあ。あおくんとなおちゃんどこにも接点がないっていうか……不思議だな」


たしかに、それは俺もずっと思っていた。

もちろん同じクラスだし話したことがないわけではないけれど、どれも挨拶程度のものだった。


だから俺は未だにそれをちゃんと信じてないし否定している。

秋斗はもうすっかり真実かのように受け止めているが。


「あのモテモテの北山さんが俺なんか……秋斗、何かの勘違いだよ」


俺は投げやりにボールを蹴った。


秋斗は俺の放ったボールを受け取らず、スルーした。

ボールはコロコロとどこか遠くへ行く。

「俺さぁ、今マジでかっこ悪いんだ」

秋斗が苦しそうな笑顔のままそう言う。


「そうか?俺からしたら秋斗はイケメンだし、女の子の友達もたくさんいて……

そこまで俺が言うと、言葉を切るようにして「そうじゃなくて」と秋斗が言う。


びっくりして、秋斗の目を俺は見つめて、黙った。


「俺はね、今とてつもなく、あおくんが憎いんだ……。酷いよな。あんだけ女遊びしといて、そんな資格ないのにね」


なにか言葉をかけようと思ったけど何も口から出てこなかった。

秋斗はそのまま続けた。


「しかも、しかもね。

よりにもよって、なんであおくんなんかって思ってるんだよ。マジ、最低でしょ」


そう言うと秋斗は授業を抜け出すのか、そのままグラウンドを去っていった。



俺は秋斗を追った。

「秋斗、俺はお前がさ、俺の事どう憎んでたって、その、気にしないよ。今はさ」

秋斗は後ろにいる俺の声を無視しながら歩く。


「だ、だから、自分のことそんな責めなくていいじゃんかよ。そ、それにさ、まだ確定ってわけじゃないんだからもう少し勇気だして」

「うっせえな!!!」


秋斗が怒鳴った。

俺は足を止め、そこに立ち尽くすしかなかった。


「あおくんに何がわかんの?

なおちゃんにも好かれて、彼女ちゃんもいてさ。俺の何がわかんの? 偉そうに上から喋んないでよ」


俺の顔を見ずにそう言い放ったあと、秋斗はそのままどこかへ行ってしまった。

俺はその背中を見つめることしかできなかった。



しばらく呆然と立ち尽くし、我に返った。


俺、たしかに無神経だった。


秋斗、ごめんな。


心の中で謝った。




……さ、沢口、くん?」


後ろから女子の声がして驚いて振り返ると

そこには、北山なおがいた。