古いものです



【シアター!2:著・有川浩:アスキーメディアワークス メディアワークス文庫刊】

笑えるぐらいに面白くて、
鳥肌立つくらいに面白くて、
泣けるくらいに面白かったです。

とても楽しい時間でした。
今も二周目を読みたくて仕方ないのですが、グッとこらえて感想文書き書き。φ(.. )

二周目は待っててくれるけど、感想はナマモノなので。

一番笑ったのは、「―ざまァ」の一言。
牧子、それあんたの好きな人だよ!

鳥肌立ったのは、その近くで、真剣勝負をした牧子と千歳の会話のシーン「お互い認め合い…」と、牧子の今の恋愛の対比に。

牧子と千歳も確かに理想だけど、牧子が巧に全幅の信頼を置いて全部を委ねているのもかなりイイと思うんだけど。


千歳とスズの「友達」の使い方の違い、も面白かったです。
千歳は外向き…周囲と自分達の距離の差を「友達」と表現して、
スズは内向き…自分と千歳の気持ちの近さを「友達」を表現してますよね。

よく聞く「友達」の表現だけど、また新鮮に聞けました。

最近リアルでも「友達の境目」なんて話が出てきたので。

その時は、「ふざけあって会話したら友達」だったかな。
これはなんだろう、千歳とスズみたいな一対一じゃなくて、大勢いる中で、一定の距離の人をそう分類してる…曖昧な分類ですよね。
気安さを基準に述べてる。

それが悪いってんじゃないし、分かるけど、その話を聞いた後の【シアター!2】にハッとするものがあった。
とても面白いですね。


泣けたのはあれです。
「埋めるぞ」です。
恐怖のあまり泣きました。嘘だけど。


泣きそうなくらい良かったのは、司から電話を受けた千歳が、「行こう、遥かなるあの山へ」を朗読して司を救うシーン。

聞いた後の司の一言は、一巻の「君は人生で最初の刷り込みを担当しているんだな」と言い回しが似ていて、でも司の個人的な感想でしかありません。
ああ、それを言うなら、一巻で司が見ていたアニメ(ん、沢城みゆきさんってプリキュアに出てる。おおよそこういうアニメの話をしてるんだよね?)は、もちろん司に向けて作ったものではないし、司もそれを受け取る立場の人間ではなかった。


でもこの朗読は、千歳が司にあてたもので、司もそれをしっかり受け止めています。
一度演じてはいるけれど、息遣いまで電話口に乗せるのは、演劇とは違う、声優・羽田千歳の技術ですよね。

ああ、これはラブレターなのか。

全力で書いて、全力で受け止める、これもラブレターなのか。

そして、その評価を千歳は真正面から受け止めていますよね。司に促された千歳の成長でもあるし、司のために、と千歳が全力を出したことが、正面から司の言葉を受け止めさせたのでしょう。

ああ、面白い。
シアターフラッグ扱き下ろされてブチ切れる司面白い。
というか司面白い。
司も実は子供のまま大人になってる人なのかな。
千歳ってホントに二人に似てんなぁ。

千歳と司のシーンで気になったのはほかにも、スズとケンカした千歳に、「出来のいい子供はあきらめなけなければならないものがある」みたいなことを言うシーン。司にしては論理が稚拙ですよね。

テアトルワルツの支配人にはあんなに論理立ててキレてたのに。
でも、契約結ぶ前なんだからお互いに何言っても良いし、契約結ばない自由もあるよね。
ワルツの支配人は商売人の風上にも置けないけど、契約不履行を犯そうとしているわけじゃないんだから、司の論理にはヒビがある。
でも司らしい論理でキレてた。

でも、千歳に言うのは、なんとも子供っぽい負け惜しみにも似た諦め、みたいなもの。
大人の司が整理できていない部分なのかな。


巧もかっこよかったですね。
ダメっ子だけど大事なところでは踏み外さないですね。
それ以外はほんとダメっ子だけど。ほんっとにダメっ子だけど。母にて。というか兄弟の母はほんとに司の母親だなぁ。


ん、沢城さんってプリキュアではゲストキャラだったの?
え、今年【ダンタリアンの書架】のダリアン役!?まじで?