今日は読書です。
本日はこちらの本。
『どこかでベートヴェン』 中山七里 宝島社文庫
山間部を切り開いて建てられた音楽科のある新設校。そこに岬洋介という転校生が来た。岬洋介はそのルックスから女子はおろか男子も一目おく存在に。
しかし、岬洋介を特別な人物にしたのは音楽の時間に先生にピアノを弾けと言われ名器で弾いたベートーヴェンの曲。聴くものを引き込む演奏にクラス中が魅了された。しかし、純粋に尊敬するものもいれば嫉妬の対象としてみるものもいたのだ。
夏休みを終えると文化祭があるため、音楽科は夏休みの半数を登校しなければならない。そんなある日、土砂降りの雨が学校周辺を襲い、様子を見に外に出た岬と転向してきて以来ずっと岬と共にしていた鷹村は学校へ通じる橋が半分流されてるのを目撃。しかしかろうじて倒れた電柱が橋代わりになっていた。
岬は躊躇なく電柱をわたり助けを呼びに向かう。
校舎の裏は土砂崩れとなり、体育館へ避難していた生徒たちは岬の機転により無事救助されたが、当の岬はなんと殺人の容疑で事情聴取を受けているという。
以前から岬に絡んでいた男子生徒が死体で発見されたというのだ。
男子生徒が殺された時間にその現場近くにいたのが岬ということで容疑者になったらしい。
幸い岬は釈放されたが、以来クラスメートからは疑いの目でみられるように・・・。
岬は真犯人を見つけるべく鷹村と行動をおこすが・・・。
そんな中、岬にはさらに過酷な試練が待ち受けていた。
岬は真犯人を見つけることができるのか?また岬を襲った悲劇とは?
岬洋介シリーズですね。このシリーズ何冊でてるのか、順番がどうなってるのか
さっぱりわからないんですけど、この作品は岬洋介が高校生の時のお話と
なっています。
中山七里さんは『さよならドビュッシー』でデビューしましたが、これが岬洋介
シリーズの第一弾になりますね。
このシリーズも私は読破したいのですが、本当に中山七里さんの作品は
人気があるため110円に落ちてこないんですよ。
今回の作品はストーリーが高校を舞台となっており、岬洋介が転校してきた
ことからはじまります。
類い稀な才能をもっていたためにクラスの中で浮いてしまう。
あるものは嫉妬し、あるものは羨望する。
将来は素晴らしいピアニストになるであろう人物だったのだが・・・。
殺人事件の容疑者になったと思ったら、音楽祭では演奏する岬に悲劇が・・・。
『さよならドビュッシー』で岬洋介が火傷をおった少女の指導者になっている
経緯がここでわかります。
そして、殺人事件のほうですが、高校生がこんな推理できるのか?
と思うが、まぁ岬洋介は探偵の素質もあるということで・・・(笑)
評価は★4~5.
面白く読めました。読みやすいですし、少なくともありきたりと感想を書いた
『さよならドビュッシー』よりは評価できる作品だと思います。
そしてこの作品は検索すると「実話」とでてくるんですね。
これは最後の一行が「え?」ってなるからだと思います。
もうひとつ、岬という苗字に心当たりある方はあのシリーズも読んでるはず。
そうです。御子柴礼二が登場してます。
岬洋介の父親が検事なんですね。御子柴礼二シリーズの第2弾だったと
思いますが法廷で岬検事と対立してますね(笑)
ということで最後の短編も面白く読めると思います。