今日は読書です。
本日はこちらの本。
『希望の糸』
汐見行伸と妻は二人の子供を妻の実家へ遊びに行かせる。ところが新潟にある妻の実家で新潟中越地震が起き、汐見の子供二人は亡くなってしまう。絶望した妻だったが、また新たに子供を産んで育てようと希望を持ち不妊治療に励んでいた。
数年後、東京にある喫茶店のオーナーの女性が殺された。女性の評判は誰に聞いても親切で人当たりのいい良い人であった。女性のスマホ履歴から離婚した元旦那の履歴があったため、警察は元旦那から事情を聞くことにする。元旦那は現在別の女性と事実婚をしていた。
北陸の金沢市で旅館の女将をしている亜矢子の父が末期癌でもう命が尽きようとしていた。そんな折、弁護士から父の遺言書をわたされる。役所で作った遺言書なので生前に開けることができるそうだ。弁護士は暗に父が生きているうちに開けたほうがいいという意思を示していた。亜矢子は遺言書を開けるがそこには信じられない事実が書かれていた。
喫茶店のオーナーの女性が殺された事件の方だが、捜査が進まない中加賀恭一郎の従兄弟であり部下である松宮はスマホから汐見という名前を見つける。
その客は頻繁に喫茶店に通い女性とかなり親しくしていたという証言がいくつも得られていた。松宮は汐見に目をつけ捜査を進めることにする。
果たして喫茶店オーナーの女性は誰に何の理由で殺されてしまったのか?
多分加賀恭一郎シリーズなんでしょうけど、この作品は加賀はあまりでてきません。
どちらかというと松宮が主役ですね。
震災で二人の子供を亡くした汐見夫婦は女の子をもうけるが、妻とは2年前に死別。
現在の内縁の妻多由子と14歳になる娘の萌奈と暮らしていた。
そこへある日刑事がやってくる。度々行っていた喫茶店のオーナーが
亡くなった事件でどうやら目をつけられたらしい。
汐見がその喫茶店にいくようになったのにはある理由があった。
一方で殺された女性の元旦那にも警察は目をつけていた。
しかし、殺人罪で逮捕されたのは意外な人物であった。
なぜ、その人物が犯行に至ったのか?
この作品は血の繋がりがテーマになっています。
汐見の娘である萌奈がキーパーソンですね。
そして刑事の松宮自身も血の繋がりの問題がでてきます。
二つの血の繋がりの問題がこの作品のテーマになってます。
少しボリュームありますが、とてもわかりやすく書かれていて
読みやすい作品だと思います。
評価は★4~5。
さすがに東野圭吾さんの長編ミステリーは凄いな!って感想ですね。
読みやすさやわかりやすさはもちろん、問題が複数あっても混乱しないで
読めるところが凄いですね。
汐見夫婦の苦悩。
そして殺された女性と元旦那の苦悩と希望。
守らなくてはいけない娘とその娘に関した秘密。
この事件はとても悲しい事件でした。
そして、捜査をする松宮自身もまた血の繋がりについて
悩みながらの捜査です。
希望の糸とはよく考えられてつけられたタイトルだなって思いました。