今日は読書です。
本日は読書です。
『青空と逃げる』 辻村深月 中公文庫
四万十の食堂で働いていた早苗はある日職場に「エルシープロ」の人間が訪ねてきたことで青ざめる。実は早苗は小学5年生の息子と二人、東京から逃げてきていたのだ。
早苗の夫の本条拳は剣会という劇団に所属する俳優だった。拳は客演をすることもたまにあり、売れっ子女優の遥山真輝の指名で舞台に出演することになっていたのだが、ある日の深夜真輝が交通事故を起こしてしまう。そしてその車に同乗していたのが拳であった。
深夜に二人でいたことから不倫を疑われ、しかも真輝のほうはその後自殺してしまう。
それは大スキャンダルとしてニュースになり毎日のようにマスコミやエルシープロの人間が拳の家に押し寄せた。そして拳は姿を消してしまう。
残された早苗もマスコミとエルシープロから逃れるため息子の力を連れて逃げたのだ。
最初は四万十、そして家島、別府温泉、仙台と、エルシープロが追いかけてくるたびに母子は逃げ続けていた。
拳の行方はわからないまま。生死もわからないままだった。
というのも、逃げる前に早苗は息子の大事にしていたタオルケットにくるまれた血が付いた包丁を発見していたのだ。
あの包丁はなんだったのか・・・
夫はどこにいるのか?いつまで逃げないといけないのか・・・。
なんだか詳細がよくわからない作品だったかな~。
逃げてるのはわかるんだけど、なんで早苗がエルシープロの人間から逃げてるのか
よくわからない。真輝の事務所の人間を何故そんなに早苗が恐れることが
あるのか?
そして行方をくらました拳も無責任すぎる。
妻子を置いて自分だけいなくなるか?
ただ、ひとつ救いだったのは、早苗たちが逃げた先でかかわった人間が皆
とても良い人達だったということだ。
何も聞かずとも早苗の事情をわかってくれ、仕事にも恵まれ・・・
そうして早苗と力は逃げてきた地域でひと時でも安住できたのだ。
多分この作品はそこのところ・・・つまりは人間ってやさしいのよ・・
っていうのを表現したかったのかもしれない。
じゃないと、早苗たちが逃げ続けてた意味が本当にわからないのだ(笑)
評価は★3。
一応最後はハッピーエンド?みたいな感じだが、読み終わってもどうも
しっくりこない作品であった。
包丁を見つけた際、なぜすぐ早苗は力に問いたださなかったのか?
力と拳は実はずっと繋がっていて連絡を取り合っていたのだが、なぜ
早苗に秘密にしておく必要があったのか?
まるで理解できないことだらけで、一体何がいいたかったの?
となるが、やっぱり行きつく先は逃げた先々の人たちが
優しかったな~ってとこなんですよね。
辻村深月さんは最初に読んだ作品がめっちゃ良すぎたために
ついつい期待しすぎて読んでしまうのだが、今のところ最初の作品を
越える作品に出会えてない。。。(笑)