今日は読書です。

 

本日はこちらの本。

 

 

『すぐ死ぬんだから』 内館牧子 講談社文庫

 

忍ハナは78歳。60代の時に実年齢より老けて見られたことをきっかけに自分磨きをするようになった。とにかく年寄り臭いことはしない!

外見にはとにかく気を遣う。

ある日、ハナは同窓会に出向く。途中で雑誌の取材に声を掛けられる。

それはシニア向けの女性誌でハナも愛読していた。

素敵なシニアを毎月紹介するコーナーにハナを是非載せたいと言ってきたのだ。

ハナは一応遠慮するがやる気満々。取材中もハナの年齢に皆驚き若々しさを褒める。同窓会に行くとそこは昔の面影はどこぞ・・・の爺さん婆さんの集まりだった

昔は活発で成績がよくモテていた雅江もすっかりお婆さんそのものになっていた。

雅江は友達の明美とハナの若々しさを嫌味たっぷりに褒める。

都合のいい言葉を並べる雅江と明美だが実はハナが羨ましかったのだ。

ハナには岩造という夫がいる。岩造はとにかく本気でハナを褒めてくれる。

そしてハナと岩造はとても仲良し夫婦。若い頃は酒屋を夫婦で営んでいたが、それも長男に任せ、今は二人で楽しく過ごしていた。岩造の宝物はハナと昔誰だかに書いてもらった掛け軸だった。

その岩造がある日倒れる。。。そしてそのまま死んでしまう。

ハナの落ち込み方は酷かった。

ところが数日後岩造の遺書が見つかりそこにはどんでもないことが書かれていた。

 

この作品は結構長編です。ちなみにあらすじは前半3分の1である。

 

これ以上書くとネタバレになってしまうので・・・(笑)

 

とにかく面白いです。ハナのキャラがいいですね。

 

年をとったら誰だって退化する。しかし、努力によってそれをカバーすることが

 

できる。

 

ハナは実年齢より老けてみられたことにより自分に磨きをかけるようになる。

 

同級生や周りの老人達が放つ、「外見より中身よね」も都合のいい言葉として

 

一蹴。

 

他にも「楽だから」とペタンコ靴を履いたり、ゴムのスカートやズボンを穿いたり

 

しない。リュックもジジババ臭いからしょわない。

 

若い人が使うリュックとジジババが使うリュックは目的が違うと思っている。

 

「ナチュラル」という言葉も都合のいい言葉。

 

ハナはウィッグもつけるし、服装の色や柄もババ臭くならないように気を付けている。

 

「もう年だから・・・」と諦めることがハナには我慢できないのだ。

 

そんな素敵に生きているハナ、夫の岩造ともずっと仲良し。

 

ところがその岩造が死んでハナはショックのあまり一過性の健忘になる。

 

それほどまでに仲良しだった岩造だったのだが、岩造の遺書により

 

ハナの気持ちは一変する。

 

評価は★4~5。

 

同じこと書くが、とにかく面白い。

 

人間ってつい言ってしまう言葉ってあるじゃないですか?

 

「外見より中身よ」「ナチュラルが一番よね」「もう年なんだから年相応に」

 

「やらないで後悔するよりやって後悔したほうがいい」

 

全部ハナからしたら言ってる本人に都合のいい言葉でしかない。

 

私も若作り頑張ってるほうだが、やっぱり「もう年なんだから」は常に

 

頭にある。そして楽なほうへ逃げたがる(笑)

 

ヒールの高い靴なんて何十年履いてないだろうか?

 

ハナは私に一石投じてくれたと思う。

 

ちなみに文中にあるが、80代が一番後悔してることは

 

「挑戦しなかったこと」

 

だそうだ。何かやりたい、始めたいと思った時に行動に移せないこと

 

ありますよね。

 

年をとったら絶対に後悔するのでやりたいときがはじめ時だと思います(笑)

 

それは私の年代からでも遅くないし、60代、70代、死ぬ間際からだって

 

いいと思います。

 

どうせもうすぐ死ぬんだから間際になって後悔したくない。

 

とにかく時間がもったいない。

 

私も50を過ぎたころから落ち込んでる時間が勿体ない・・・・と

 

立ち直りが早くなりました(笑)

 

あとはやりたいことは挑戦する!最近行動的になったのはとにかく

 

時間が勿体ないが頭にあるからだと思います(笑)

 

この作品はどの年代にもぜひお勧めしたい本ですね。