今日は読書です。

 

本日はこちらの本。

 

 

『迷路館の殺人』 綾辻行人 講談社文庫

 

推理小説界の重鎮、宮垣葉太郎が住む迷路館。エイプリールの日、その迷路館に宮垣の弟子4人を含む8人が招待された。

ところがいつまで経っても宮垣が現れない。夕方になり宮垣の秘書が実は宮垣が自殺したことを告げる。

宮垣は遺書を残しており、そこには4人の作家に5日間の間に推理小説を書き上げ、一番出来が良かったものに遺産の半分を与える旨が書かれていた。

数億といわれる遺産をかけ、4人の作家は制作に入るがその日から次々と作家たちが殺されていく。迷路館のカギを持っている秘書は消えてしまい、閉ざされた空間の中でミステリーマニアの島田潔が推理を働かせていく。

果たして誰が何のために4人を殺したのか?

 

綾辻氏の館シリーズですね。個人的に大変面白かったです。

 

綾辻氏の最高傑作と言われてる十角館の殺人と同等ぐらいの面白さがあるが、

 

私は迷路館んのほうが好きかもしれない。

 

何といってもその構成が面白いのだ。

 

プロローグのあとにいきなりあとがきがあるのだ。

 

そして物語が始まる。

 

そう、この迷路館の殺人は鹿谷門実が書いた小説として読者に読ませる形に

 

なっている。

 

なので本編が終わったあとにまたあとがきがあり、そこで鹿谷門実の

 

『迷路館の殺人』は終わることになる。

 

その後にプロローグがありこの本の締めくくりとされている。

 

肝心の内容だが、宮垣が自殺してしまい、4人の作家は遺産をかけ

 

執筆活動に入る。ところが次々殺されていき、それぞれの部屋にある

 

ワープロには書きかけの小説。しかもその小説と同じような方法で

 

殺されていたのだ。つまり見立て殺人である。

 

迷路館は地下に作られており、地上への扉はカギがかけられており、

 

そのカギをもっている秘書は殺人事件と同時に姿をけしてしまう。

 

残された者たちは秘書を疑うのだが島田は迷路館になにかからくりがあると

 

推察してそれをさがそうとする。

 

残忍な殺害方法から犯人は男と予想されたが、私個人の意見は

 

いやいやいやいや、そういう事件こそ女性でしょ?って思ってた。

 

だが、ここに登場する女性は二人。一人は妊娠中、一人は作家で殺されてしまう。

 

犯行がどうしても無理なのだ。

 

最後まで犯人がわからなかったのはお見事だった。

 

評価は★4~5.★5をあげてもいいぐらいだったが、一つ疑問が残ったので

 

完璧な★5はあげられないかなって感じ。

 

館シリーズはあとは『暗黒館の殺人』全4巻と『奇面館の殺人』上・下巻が

 

まだ未読だが、ここまで読んで、この作品が今のところ一番お気に入りかもしれない。