<平手side>
今は、部活に行く者は部活に、帰宅する者は帰宅する時間
今日は部活がないため、教科書をカバンにつめてさっさと帰ろうとしていた
教室を出た瞬間、先生がさっき言っていたことを思い出した
土田(夏休みの課題で読書感想文あるから、家に読む本ない奴は今の内に図書室で借りとけよー)
あー、借りにいかないと
私は図書室のある1階に下りていった
そういえば、図書室行くの初めてかも
え、空いてるかな
いや、図書委員が居るはず、多分
いざ、図書室に着いてみると空いていない
なんてことはなく、普通に空いていたし、思ったよりも沢山の人が図書室を利用している事を知った
平手「失礼しまーす…」
私は恐る恐るドアを開ける
すると一気に、本の独特な香りが私を襲う
私が中を見回していると、カウンターに居る、図書委員であろう人と目が合った
やばい、めっちゃ綺麗
ドクンッ
心臓が跳ねた
私は目を逸らし、そそくさと空いてる席についた
心臓の音が、いつもより大きく速く感じる
私が本を1冊も持たずに座ったのを見て、その人は私に近づいてくる
つけているリボンと名札から、3年生の渡邉先輩だということが分かった
渡邉「友梨奈ちゃん、だよね?」
渡邉先輩はひっそりと話し始めた
平手「は、はい」
私も同じくらいの声量で返した
あれ、名前、なんで知ってるの?
表情で分かったのか、渡邉先輩は私が心の中で呟いた疑問に答えてくれた
渡邉「よくバスケで表彰されてるよね?1年生なのに凄いっていうのと、可愛い子だなって思ってたから覚えてたんだ」
覚えててくれたのはもちろん、可愛いと言ってくれたのがとても嬉しかった
渡邉「それより、借りる本、決まってないんだよね?」
渡邉先輩は、私の目を綺麗な瞳で見つめながら言った
私は少し申し訳なさそうに頷く
渡邉「夏休みの課題、だよね?この時期に初めて図書室来る子は大体それだから、ついてきて」
私は素直について行くことにした
渡邉「友梨奈ちゃんは、本好き?」
平手「んー…」
正直、本はそんな好きじゃないし、かと言って図書委員の先輩に好きじゃないって言うのも…
私が返事に困っていると、渡邉先輩は察してくれたようで
渡邉「ふふっ…友梨奈ちゃんは優しいね、じゃあこれを機に好きになってもらわなきゃね」
私の為の本を選び始めた
渡邉「私のオススメはねー、これとか、これもいいよ、あ、これも私は好きだなー」
渡邉先輩は、次々に本棚からいろいろな本を取り出していき、楽しそうに私に説明してくれた
渡邉「これはね、読書感想文とかなら書きやすいし、こっちは内容が凄く面白いし、どう?決まりそう?」
本の説明をしている時の先輩の目はとても輝いていて、先輩をここまで笑顔にさせる本というものはそんなに凄いものなのか、と
とても興味が湧いた
正直、私が読んだことある本なんてせいぜい絵本やマンガくらいで、興味を惹かれるようなものではないと思っていた
平手「渡邉先輩」
渡邉「ん?」
平手「渡邉先輩にとって、本って、なんですか?」
渡邉「んー、本っていうのは
現実じゃ到底出来ないようなことが描かれてたり、実際に凄いことをした人がいるんだって知れたり、今の自分と重ねることができたり、
読む人といろんな世界を繋げてくれる架け橋、かな?」
渡邉先輩は、持っている本のホコリを払いながら私に答えをくれた
渡邉「あ、なんかごめんね、私のことばっかりで友梨奈ちゃんの本決めないと」
平手「私から聞いたことなんで渡邉先輩が謝ることじゃないですよ、それに、先輩の答えを聞いて本に興味持てましたし」
渡邉「ほんとに?!それなら良かった」
私の言葉を聞いて、渡邉先輩は物凄く嬉しそうに言った
平手「私、この本にします」
私は渡邊先輩が持っている数冊の本の内、1冊を指さして言った
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前編なんで、後編に続きます!
よろしければ後編まで楽しみに待っていてください!!
個人的にこの2人の組み合わせ好きなんですよね笑
いいですよねー、可愛いですよねー
癒されますー笑笑

