【日常】日野自動車の不正問題で思うこと~トラックドライバー視点の話~ | 新 国鉄チックな鉄道模型ライフ

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(写真は一個前の「日野プロフィア」)

今更の話で申し訳ないのですが、現在は一線を退いているとは言え、私自身トラックドライバーです。

なんか日野自動車さん、次から次へ発覚し、大変なことになってますね。

1個目の不正は、正直影響が出てましたが、それ以降は書類改ざんの系等みたいですね。

 

写真の「レンジャー」は一つ前ですが、これは2度ほど担当していました。

これ最初の担当していた冷凍車に近い仕様の模型(改造)なんですが、この形式のエンジンも追加で問題になってました。

その問題ですが、平成13年頃に「首都圏都市部排ガス規制」で、黒煙を出す車両は都市部への乗り入れが制限されまして、「フィルターを付ける(80万/台)か買い換えろ」という物でした。

昔居た会社では「フィルター付けていました」が、1年ぐらいですすが溜まり詰まりまして、フィルターごと落下。その後通常のマフラー(フィルター無し)で修理。交換の書類とステッカーは貼ってあったので、その後の車検は大丈夫という物でした(ダメだろ)。

で、このレンジャーですが、初期の「DPR(燃焼式NOx除去装置)」を積んでまして、とうじょうじはもんだいありませんでした。

=====------(飛ばしていいです)

※DPRは日野自動車の呼称で、スイッチオンでバッテリー電源によりフィルターを加熱させて、化学反応で黒煙を飛ばすという物で、活性炭を用いて実験してました(某製鉄所で実験担当w)。特許は日野自動車。(時間は10分弱で走行時も可能)

※DPFが三菱ふそうの方式で、停止時にスイッチで軽油を燃やしてフィルターを加熱する仕組みで、確かいすゞも同じ方式を採用。特許は三菱ふそう(時間は20分から30分で、走り抱いたら時間がリセット)

※尿素式Nox除去装置、これはUDトラックス(旧日産ディーゼル)の方式で、排ガスにアンモニア水を飛ばして、化学反応でNox除去する装置。各自治体の焼却炉でも採用されており、最近の焼却炉は黒煙が出ないのはそのせいです。

トラックでの特許はUDトラックス。走行時は常に噴霧するが、アンモニア水の「アドブルー」が切れると、エンジンが掛からなくなるという安全装置付きで夜間スタンドがやって無い長距離ドライバーから反感食らう。

そして数年後、国土交通省が「各車両方付けろ」という理不尽な命令が出ることになります。

本来なら値上げする所ですが、某メーカーは「客に逃げられるから赤字でも売るしか無い」とトラック会社負担で売ってました。

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数年前、この同型式に担当になるのですが、なんと別の車が「フィルターが詰まっており黒煙が出る」「夏場はオーバーヒートする」と言う物で、あきらかにメーカーが対策しないのを疑問に思っていたら、この不正が発覚しました。

 

不正というと、どうしても「三菱」または分社化した「三菱ふそう」のイメージがありますが、じつは現在は改善されていまして、ちょっとでも不具合が発覚すると、「リコール」(無償修理)を出しており、一車種で3ヶ月後とにリコール(古い車種も)のはがきが来る状態でした。話を聞いたら、国から指摘される前に交換した方が大変だけど、ついでの修理やタイヤ交換などで、売り上げが改善した(地域貢献する会社)。とのことでした。

まぁ、トラック会社として休車させて修理というのは、問題なのだが・・・。

 

話が脱線しました。

 

UDトラックスは特に問題ありませんが、親会社が「日産」→「ボルボ」→「いすゞ」と変化しており、4トンクラスは」いすゞフォワード」のOEM車(コンドル)、2トン・3トンクラスはなぜか「ふそうキャンター」のOEMになってます。

自社生産は大型の「久遠」だけですね。

 

いすゞは、バス事業が日野と共同になったり、乗用車部門が無くなってから好調のようです。

今回の日野の騒動、いすゞ大きな鍵を握るかもしれません。

 

次はバスの話。

 

日野自動車は、トラックだけで無く追加でバス事業も大方販売中止になりました。

こちらは大半がいすゞとの合弁会社で「ジェイバス」というところが担当し、共通ボディーだけでなく、エンジンも両者入り乱れているようです。

当然、日野のエンジン搭載車は形式認定解除となり、いすゞ側もとばっちりとなります。

逆にいすゞのエンジン搭載車も、日野で検査して改ざんしていた場合は、販売停止になります。

 

一部あおりを食らったとは言え、いすゞの方は問題が無いわけで、販売は続けています。

ただし合弁会社はバス事業だけで、トラックは別々なエンジンですので、ダメな形式をいすゞエンジンを換装して形式認定を取ればいいわけです。

というか、メーカーもそれはわかっていると思いますので、たぶんテストをしており近々、認定されて出てくる物と予想しています。

 

その間に、波に乗っていくのは「三菱ふそう」では無いかと思われますが、バス会社によっては「○○営業所は日野」とか縛りがある場合もあるので、一概には言えません。

 

困っちゃうのは、各地でコミュニティーバスで活躍している「日野ぽんちょ」、代替えがありません。

昔は「日産ディーゼル」から、通常の車体を詰めたミニバスが存在していましたが、現在は撤退しちゃってますから難しいですね。

 

ちょっと長くなっちゃいましたが、トラックドライバーの視点で、話をしてみました。

以上です。