前回から少し間が空いてしまいました。

あれから何回か心療内科に通い、
薬を継続して内服していたら、
トラウマを思い出す頻度が前よりも少なくなってきて、
思い出したとしても、
割と早く他のことに気持ちを切り替えることが
できるようになってきた気がして、
薬の力ってすごいんだなぁ、
もっと早く頼ればよかったのかな、
と考えたりしています。

トラウマの話なのですが、
ここから先は、
数年前に私自身が苦しめられ、
今もまだ辛い精神状態が続いており、
読む方によっては、
過去に経験した同じようなトラウマを思い出されたり、
気分を害される方がいらっしゃるかもしれないので、
そういった心配のない方だけお読みください。

以前、大学病院の事務職の仕事をしていました。

私は新しく異動した部署で、
前任者が残したマニュアルを見ながら
仕事を覚えるのに必死だったのですが、
同じ部署の看護師から、
ストレスの八つ当たりを受けていました。

その部署は、看護師1名、事務職1名という
小さな部署でした。

看護師からは、

密室で他のスタッフの悪口を言われ、
同調を強要されたり、
電話中にわざと大声を出されて遮られたり、
電話が鳴るのがうるさいからと真横で乱暴に電話線を引っこ抜かれたり。


悪口に同調しない私のことが気に食わないからと、
私がいないところであら探しをして陰口をたたかれたり、
足を組んでふんぞり返って座り、
仕事に集中する私の一挙一動を四六時中、
失敗しろと言わんばかりに高圧的に監視されたりして、
恐怖と息が詰まる思いでした。

ワーッと大声ですごい形相で詰め寄られたり、

誰かが持ってきた土産物を

早く食べろと胸元に無理やり押しつけられたこともありました。


看護師も大変だし仕方ないな、と思って
初めのうちは我慢していたのですが、
前述のようにだんだんエスカレートするようになり、
監視されている恐怖で仕事中にキーボードを打つ手が震えたり、
自分の席に座っているのが耐えられず長時間別室に避難せざるを得なくなったり
夜中寝ている時に、看護師の人を射るような目が浮かんで
ハッと目が覚めたりするようになっていきました。

私は事務職で、相手は看護師。

仕事内容は全く違うし、
看護師は役職付きだったものの、
私は看護師の部下でも奴隷でもない事務職。

前任の事務からのマニュアルを唯一頼りに
毎日コツコツ
やるべきことをこなしていただけです。

職場のメンタルヘルス相談室の
心理士に相談に行きました。

初めはすごく親身に話を聞いてくれて
とても心強く思っていたのですが、
「〇〇さんって、うちで飼ってるウサギみたいに弱々しいのね」
「看護師がライオンで、〇〇さんがライオンを怖がるウサギかな」
「みんな自分の利益のことしか考えてないよ、そんなの当たり前じゃない」
と言われるようになり、
相談するのを止めました。

職員のメンタルヘルスを管理している

安全衛生管理の職員の方で

以前別件でお世話になった方にも

相談に行きました。


助けてもらえませんか、

とすがる思いで相談したら、
「〇〇さんって何歳だっけ〜?子供じゃないんだから(笑)」
とバカにしたようにあしらわれました。

事務部長にも相談に行きました。
「〇〇さんの気のせいじゃないの。

看護師さんは大変なんだから、
残業するとかしてもっとフォローしないと。」

などと言われました。

ちなみに私は看護師からこれだけ嫌がらせをされ
相当なストレスを感じながらも、
「何かお手伝いできることはありませんか」
とか、帰る時には、
「帰っても大丈夫ですか」
と異動した当初から
度々確認するようにしていて、
堂々と無視されることもありましたが、
私はそうやって真面目にやってきたので、
事務部長のアドバイスはまるで見当違いでした。

事務部長にはそのことも伝えましたが、
それでも面倒事には首を突っ込みたくない
ことなかれ主義なのか、
のらりくらりとかわされました。
驚くことに、
「やられたらやり返せばいいんじゃない」
と言われたこともありました。

ミーティングのときだけ部屋に姿を見せる
部署長の医師にも相談に行きました。
「パワハラのない職場なんて無いからね」
と言われました。

誰に相談しても
八方塞がりで気分が滅入っていた私なのですが、
ある日、看護師から
本来私の仕事ではないことで
ミスがあったとかで因縁をつけられ、
どういうつもりなんですか
とまるで脅迫のような強い口調で詰められ
私の仕事ではないのですが、と
返答したことを記憶しています。

変な話ですが
それでますます看護師の怒りを買ってしまったようで
私が話しかけても平気で無視をするようになり、
その表情や態度は私への強い殺意を感じるほどでした。

頑張っていたら誰かが見てくれてる、
いつか報われるはずと思ってギリギリまで
粘っていましたが、
ある日、あ、もう死んじゃうと思って
早退してその足で心療内科に行き、
先生から適応障害(抑うつ状態)の診断書をもらい

翌日から休職することになったのでした。


私は社会人として責任と誠意を持って
仕事に取り組んできたのですが、
子供じゃないんだから、と
私のことをよく知りもしないくせに
バカにされたことにとても腹が立ちます。

子供じみているのは私の方ではなく、
感情に任せて攻撃してきた看護師と、
困っている人に問題があるかのように済ませた大学病院の方では
ないんでしょうか。

正社員として就職して7年ほど経っており、
それまでも前の部署で
他病院から紹介された患者さんを取り次ぐ
仲介の業務をしていただけで
私自身は悪いことは何もしていないのに
医師から事務部長に文句を言われて
医師に謝罪しに行かされたりと、
理不尽やストレスに感じることは本当にたくさんあったものの、
自分が誠意を持って対応した方々から
お礼を言われることもたくさんあり、
やりがいを感じたり
責任感と誇りを持って仕事していたので、
このままずっとここで働き続けたい、
と思っていました。

この件について、
看護師からも、看護師の上司からも、
病院側からも、
最後まで弁明や謝罪のひと言すらなく、
私が大学病院に対して尽くした誠意は搾取され、
その上、蹴飛ばされるような形で
退職に至ることになりました。

私は職場のことを思って
できる限りの誠意を込めて仕事をしていたのに、
まるでヒトではなく、
使い捨てのモノのように扱われたことに
悔しくて情けない気持ちでいっぱいでした。

退職することになり、
部屋に置いていた私物を返してほしいと人事に連絡すると、
自分で都合をつけて取りに行けと言われました。

部屋に取りに行くとなると
例の看護師と遭遇して
トラウマをぶり返し
症状が悪化する可能性も
容易に想定できるだろうに、
さすがに酷すぎるのではと思い、
慌てて弁護士に連絡を取って、
弁護士から人事と交渉してもらい、
直接私物を返してもらえることになったのですが、
これだけしんどい中、
大きなエネルギーを割かないと
当たり前の対応すらしてもらえないことに
心底嫌気が差しました。

これだけ無下に扱われても
真面目な私は
数々の返却物品は漏れなく全て揃えて
本当はそこまでする必要はないのに
ロッカーもキレイに清掃して
お返ししました。

人事の担当者とは
以前別件でやり取りしてお世話になったことがあったので
信頼していた節があったのですが、
何を考えているか分からないような
無機質な表情をしていて、
私の事情なんて知らん、という態度が
ありありと見て取れたので
私物を受け取って早々におさらばさせていただきました。

休職・退職後も、
繰り返しトラウマに苦しんで、
一連のあまりの理不尽さに、
悲しさ、怒り、悔しさ、絶望を
たくさん抱えてきました。

そして、退職してずいぶん経つのに、
例の看護師にされていたように、
寝ているとき以外はずっと、
監視されて追い立てられているような気分になって、
心が休まらない精神状態が長く続いています。

真面目に仕事していたって
必ずしも誰かが見てくれているわけではないということ、

合わない、おかしい、と思ったら、
いつか認められるはずと思って頑張り続けずに
その環境から潔く離れる、

というのがとても大切だと思いました。

あの一連の出来事は一体何だったんだろうか、
と今も整理がつかず、
時々思い出しては
例の看護師や大学病院に対して
怒りや恨みの気持ちでいっぱいになります。

この感情はどうしたら浄化されるのでしょうか。

自分に改善の余地があったのなら、
あの時は辛かったけど仕方なかった、
と納得できるのですが、
いくら考えても、自分に非があったとは到底思えず、
なぜあのような仕打ちを受けなければいけなかったのか、
理解に苦しむ日々です。

人から「運が悪かったね」「仕方なかったね」と
その人は恐らく良かれと思って
励ましてくれることがあるのですが、
そんなふうにはとてもじゃないけど
思えません。

心に深い傷を負い、
たくさんの人から裏切られ、
誰のことも信じられなくなり、
自分のことも信じ切れなくなり、
周りの人を傷つけてしまいそうで
自分で自分が怖くなることもありました。

体は生きているのに、
心が誰かに乗っ取られて死んだような気分が
それ以降、長く続くこととなりました。

薬と、夫含め周りの親切な方々のおかげで、
以前と比べてトラウマを思い出す頻度が少なくなってきて、
気持ちが少しずつ楽になってきている気がしますが、
もうこんな思いは二度としたくありません。

ちなみに、

休職に至る半年ほど前に

労働基準監督署に連絡を取っていました。


担当者の方は親身に話を聞いてくださった上で、

「外部からの働きかけで解決を目指すよりも、

組織内で解決するのが早いと思います。」


「パワハラ相談窓口の設置が義務付けられています。

職場の組合員で構成される労働組合があると思うので、

電話かメールで相談してみてください。

環境改善を、労働組合と一緒に職場へ訴えるスタンスになると思います。」


「ハラスメントは裁判でしか証明できません。

相談するときはパワハラ防止法があるので、

と伝えてみてください。」


と教えてくださいました。


私が相談したことが看護師に漏れ伝わろうものなら

余計に嫌がらせが過激になると思ったので、

まずは職場の労働組合に匿名でメール相談することにしました。


相談していいですか、などの

前置きのやり取りを何度かして了承を得て、

いよいよ本題のメールを送ったのですが、

返事が来ることはありませんでした。

それまでのメールのやり取りも

あくまで業務として形だけの対応といった感じで、

本気で考えてくれているようには思えなかったので

そこでメールを送るのは止めました。


先述の心理士さんに、

パワハラで訴えることはできるか相談したことが

あったのですが、

裁判でパワハラを証明すること自体がとても難しく、

自分としても悔しいが、

力になれず申し訳ない、ということでした。


休職中に、職場から

「ハラスメント相談窓口開設のお知らせ」

が届きました。


全職員に配布したものを

休職中の人にも郵便で送っただけで

何の意図もなかったと思うのですが、

精神的に追い詰められていた私は

それがとんでもなく無神経に思えて、

職場に対して腸が煮えくり返るほど腹が立って

仕方ありませんでした。


とはいうものの窓口は

病院が雇用しているとはいえ弁護士だったので

これを活用しない手はないか、と思い直し、

連絡を取ってみました。


電話では話しきれなかったので、

途中からはメールに変えて

全ての内容を伝えました。


それまで、考えつくだけの

ありとあらゆる人達に相談しても

何も成果は得られなかったので

期待はしていませんでしたが、

病院ではなく大学側の人事と

この件について話をしてみる、

と言っていただけました。


私はわらにもすがる思いでずっと

その返事を待っていたのですが、

結局返事が来ることはありませんでした。


その間、メールや電話で何度も

進捗を尋ねたのですが結局返事は返ってこず、

返事が来たのは、

退職が決まって私物の受け取りについて

相談した時でした。


大学側の人事と話をした結果については
最後まで触れられず、
メールのやり取りの最後には、
「無事手続き終了されたようで安心いたしました。

今後のご活躍を祈念致しております。」

と書かれてあり、
弁護士の先生にもどうにもできなかった案件だったんだな、
と思いました。

これまでは
労基は労働者の正義の味方だと信じて
安心して仕事していたのですが、
いざ頼ろうとしても、
実際に動いてもらうのはとても難しいのだと
この件を通じて実感しました。

おそらく、労基が動いてくれるのは、
裁判でパワハラと証明されることが
条件なのだと思います。
(違っていたらすみません)

この前提が正しいとすると、
職場でパワハラがあった場合、
職場内の自浄作用に期待できるかが重要ですが、
今回のケースのように
パワハラを仕方ないことだと職場ぐるみで黙認するような場合は、
裁判を起こしてパワハラと証明されない限り
環境改善できない、
ということになります。

ただ、心理士さんから聞いたように、
裁判でパワハラと証明すること自体
とても難しいらしく、
また、気持ちが追い詰められた状態で
裁判を起こすというのも
想像するだけで大変な話で
現実的ではないかもしれません。

私の場合は、
弁護士の先生にも
どうにもしてもらえなかったということと、
異動してもどうせまたいつか同じ状況になるだろうと容易に想像できたので
退職するのが妥当だったと
今振り返っても思います。

全ての人とうまくやっていくのが理想だけど、
どうにも合わない人や環境というのは存在するもので、
そういうところでは
いくら自分が頑張ったところで
認めてはもらえないみたいです。

私が思うにおそらく、
事務部長があのとき言ったように
看護師と同じ土俵に立って
いろんな人の悪口を言いまくったり
やられたらやり返すことができていたら
今もあの職場で働き続けていられたんだろうな
と思います。

でも今振り返っても
人としてそんなことはすべきではないし、
自分がそんなことをする人間に成り下がらずに済んで良かったと思うので、
私は退職したこと自体に後悔はしていません。

これからの人生で同じようなことが起きたときには、
合わない人や環境に無理に合わせようとせず、
自分から物理的・精神的に距離をとり、
自分に合う人や環境を見つけて
そこでうまくやっていくことを
心がけたいと思いました。

心療内科の先生とお話していて、
最近そう思うようになりました。




しろたんのぬいぐるみが昔から大好きで、
新しくお迎えしました。

汚れたらいけないので、
ダイソーで買ったフリース素材の布で
服を作ってあげました。

これでいくら抱っこしても安心です。

長文で読み辛い文章になってしまいましたが、

最後まで読んでいただき、

ありがとうございました。


私の体験談が、誰かのこれからの参考になれば嬉しいです。