ずっと前の出来事のように思うんですが、

「まだ、1年しか経っていないんだね~。」

と祖父が大好きだったスイカを食べながら、

集まったみんなが口を揃えて言っていました。







祖父が脳梗塞で倒れ、

伯母、母、従姉、従兄とともに、

丸1年間看病をした日々。

交代で病院へ行ったり、

自宅介護が始まったりで、

祖父とともに過ごした1年と言っても

過言ではありません。

そんな日々を終え、

あっという間に1年が過ぎました。

今日は祖父の1周忌。









辛いこともあったし、

しんどい時期もありました。

だけど今思い出すのは、

祖父のおちゃめな一面ばかりが浮かんできます。

それと同時に、

病院の空間のあり方が、

どれだけ高齢者に大きな影響を与えるか。

まざまざと目の当たりにした年でもありました。








部屋にあるベッドや照明の素材1つをとっても、

カーテンや壁紙1つとっても、

看護士さんの制服1つとっても、

高齢者に大きく影響を与えるんですよね。

例えば、

お年寄りは冷え性の人が多いので、

部屋の基調は体感温度をあげる

暖色系のパステルカラーを入れるのも1つの方法。









認知症や痴呆症を防止したり、

速度を弱める治療の1つとして、

色を見たり、色を塗ったり、色を選ぶ作業を取り入れる。

アルファー波が出て、

体も心もリラックス状態になります。


色を見て綺麗と思うこと、

好きな色を選ぶ作業も

右脳を活性化する作用を持っています。

どの色を綺麗と思ったか、

どの色に手をのばしたか、

それだけでも、

相手の心を知る大きな手がかりにもなります。









祖父も同じ病院内で、

何度か部屋が変わりましたが、

1つ1つの部屋によって、

病状や言葉数などが変化していたんです。

明るい色の服を着ていくと、

「綺麗な色やな~。」

と言ってくれたことを思い出します。







そんな姿を見て、

病気の人はもちろんのこと、

看病や介護で疲れが出てくる

付き添いの方に対しても

「まだまだやるべき事がある!」

と何度強く思ったことでしょう。







高齢化が進む中、

お年寄りの体の変化に対応した、

くつろぎながら楽しめる

そんな空間を、

病院に限らず、

住宅やリフォームの中でも、

取り入れてもらえるよう、

アプローチしていくこと。

自分の目で見て感じた経験だからこそ、

これは、

私のミッションの1つだと思っています。







そんな時期にご依頼をいただいた、

シニア世代に向けたマンションのリノベーションの仕事。

祖父からのプレゼント??

と思ってしまった私。

おじいちゃん、頑張るから見ててや!!!