今宵も誰かの恋に泣く★

今宵も誰かの恋に泣く★

本を読むのが好き。
ただただ読んだ本の感想を書き綴りたいと思います。

Amebaでブログを始めよう!

「のぼうの城」 を読みました。



すっごく面白くて、一気に読み終わりました!!


成田長親の人柄に、わたしも一気に惹きこまれていきました。

1日で読破した本は久しぶり。


で!!


たしかこの「のぼうの城」映画化されてたよね?


「水攻め」があるから公開が延期になったと聞いたような・・・


なので、読み終わってすぐに、映画の公式サイトにいって愕然。



キャストが・・・・・全然イメージと違う人ばかり。



好き嫌いとかは別として。



石田三成を上地雄輔??????


冗談でしょう??


あの原作をどう読んだらこのキャストにたどり着くの??



成田長親も、なんか、違う。


たしかに、要となる部分で踊りを披露するところがあるけど

それだけのための配役と思えてならない。



あれこれ言わずに、とにかく観てから文句言え!!って

言われそうだけど


これじゃ、観る気にならないよね。



今、原作読み終えたばっかりで、熱が最高潮のときにこれだもの。



あーーーー・・・・残念。



本を読み終えた後の、感動や思いを残しておきたくて

こうしてブログを作ったのに・・・


2回更新して、以後、音沙汰なし(笑)


自分でも、びっくり。


最終更新から、約1年たってますから。びっくりもします。



そのあいだ、昏睡状態に陥ってたわけでもなく

フツーに仕事して、毎日本を読む生活をしてたんだけど・・・


基本、めんどくさがりなので。



じゃあ、ブログはじめるなよ!って感じですが

これからまたマイペースで更新できたら、と思います。




1年もあいてしまったので、その間いろんな本を読んで

感動もしたし、泣いたし、逆に「うーん・・・」という本にも

出会ってしまいましたが・・・



とりあえず、今朝まで読んでた本について。



「空白の叫び」(上) 貫井徳郎



貫井さんの本は「追憶のかけら」を読んだことがあって

泣くほど感動しなかったものの、構成が面白いなぁって思って

なので、2冊目読んでみたかったんです。


「慟哭」が読みたかったんですが・・・なかった。

図書館で本を借りて読んでるので、しょうがないですね。



それで、「空白の叫び」を手に取ったんですが・・・・


(上)を読み終えて・・・・



重い!!重すぎる!!



物語の主人公となるのは、3人の中学生。


早い話が、この中学生が、殺人を犯すんです。


それぞれ、違う場所で。それぞれの理由で。


そして、少年院に入ることになって、出会う。



この3人の中学生が、殺人を犯してしまうまでの物語が

それぞれ、すごく丁寧に描かれていて、だから、


人を殺すことは罪だけど、殺してしまった理由が共感できるというか。。。


共感なんて、できるわけないか。


分かるような気がする、としておきましょう。



それで、少年院に入るんだけど、なにしろ中学生だから

何かといじめられるわけです。


それが、異常、悪質。


まさに、地獄のような日々。


読んでいて、苦しくなるようなこともあって・・・・



そんなこんなで、(上)を読み終わり、(下)へ。


(下)は、3人が少年院をでてからの話になってて。


もちろん、というか、やはりというか、

「殺人」を犯してしまう前と、同じ生活は送れるわけはなくて・・


数ページ読んで、なんかもう、苦しくて、この先読めないなって

思ってしまいました。



どんな本でも、かならず最後まで読むことにしてるのに


ちょっと、先に進めない。



この先、どうなるのか、知りたい気持ちはあるのに

この本がもつ「負」のオーラに、飲み込まれそうで・・・・・・


情けない話です。



どうしようかな・・・・

しばらく時間おいたら続きを読みたくなるだろうか・・



多分、ならない。



なんだか、開けちゃいけない箱を開けてしまった気分。



開ける前には、戻れない。





でも、読まないと完結しない。




でも、読みたくないです、続き。


こんな気持ちになるのが、残念でしかたないですが


わたしがまだまだ未熟ってことですね。




あくまでも、わたし個人の感想ですから。ご了承ください。






喜多由布子『凍裂』


何の変哲もない、キッチンの写真。

そこに入った大きな亀裂が印象的なこの本の表紙。


タイトルから幸せな話じゃないことは分かるけれど

それよりもなによりも、冷たささえ感じるこの表紙。

一気に読みたい衝動に駆られて・・・


そして、一気読みしました。


ある日、妻が夫を包丁で刺すという事件が起こる。

事件の当事者であるこの夫婦、水原家は立派な一軒家に住み

妻は「美人料理研究家」として、TVや雑誌に忙しい毎日。

夫はそんな妻のために、キッチンをリフォームしてやり・・・

と、幸せいっぱいに見える妻が、夫を刺した。


この本のおもしろいところは、

事件が起こる。そしてその事件を7章に分けて書いてるところ。

7章=7人の、それぞれの視点から見た事件が書いてあって・・・


夫の、同僚。

事件を担当する、刑事。

夫婦の、娘(大学生)。

妻の、弟。

大スクープを狙う、ジャーナリストの女。

夫婦の、息子(中学生)。

妻を弁護する、女弁護士。


それぞれの視点から描かれてるから、面白い。

面白いんだけど、だからなかなか真相にたどりつかない!


読めば読むほど、事件を起こした妻、睦子はとてもいい人で

誰もが(一部の人間を除き)口をそろえて言う。

あの人が、こんなこと、するわけない。

↑これ、リアルな事件でもよく聞きますね。


夫の同僚の章では、料理好きで、穏やかで優しい雰囲気が


刑事の章では、事情を聞いた夫の母親の言葉から

嫁、姑の関係がうまくいってないことが、


娘の章では、ちょっと娘のことを心配しすぎな点が、


弟の章では、姉の、決して楽ではなかった幼少期~結婚までが


ジャーナリストの章では、睦子が開いていた料理教室の生徒たちが

とっても睦子を気に入り、気に入られていること。

その真逆で、それを面白くないと思ってる、ねたみの塊。


息子の章では、自分の前でだけ、父親は母親を馬鹿と罵ること、

そして弁護士の章では、夫・勝一がに、人格障害があることが。



じわじわと分かってきて。(この構成がホントに秀逸だと思う)



最初は、「堅いお母さん」というイメージだったのが

読みすすめていくうちに「女神」のような女性にかわり

決してお涙ちょうだいな文ではないのに、気づいたら涙が出てた。


というのも、睦子が、娘や息子の友達、料理教室の生徒たち、

または夫の部下に対してかける言葉や、雰囲気、心遣いが

温かくて、自然で、こんな女性になれたら・・と思わせてくれる。


だから、余計に、なんで夫を刺したりしたの?

あの日、何があったの?


・・・ってぐいぐいストーリーに引き込まれ・・・

はい、作家さんの思うツボ(笑)



この本の根底には

「自己愛性人格障害」と「モラル・ハラスメント」があって。


自己愛~は、共感性がなく、特権意識を持っている。

過剰な賞賛を要求したり、他者への思いやりの欠如、というよりは

他人がどれほど苦しもうと意に介しない。

そして、これらのすべてに「罪悪感」を感じない。


モラル・ハラスメントは、ことばによる暴力。

傷を伴う暴力をふるわないかわりに、ことばと態度で人の心を傷つける。

心身が壊れるまで貶める精神的暴力。


夫・勝一は、一代で財を築いた両親からの、歪んだ、過剰な愛情によって

自分は特別な存在だと勘違いして生きてる。

他人はみんな母親のように自分を扱ってくれると思い、妻は自分の

所有物であり、人と思わないから、自分に不利益なことをするのが許せない。

(不利益といっても、仕事をすることで自分の世話を前ほどやけないとか)


睦子は、ずっと夫に「馬鹿」よばわりをされて、対話ができない。

自分が大切に育てている花を勝手に刈ったり

(もちろん、嫌がらせ。・・・子供でもしないよ、こんなこと!)

仕事の伝言を伝えない。

休みの日は1日中家に居て、妻を監視する。

そして、自分の部屋は掃除するな!といっておきながら散々散らかして

母親や他人に見せ、「妻は仕事が忙しいから掃除もしてくれない」

と、嘆く。


こんな生活は、地獄だ。

わたしなら、耐えられない。


さらに地獄なのは、このことを姑や娘に相談しても

「そうさせてる自分が悪い。態度を改めろ」と一蹴されること。


姑はまだしも、自分の血を分けた娘にも分かってもらえないなんて。


でも、それでも、軌道にのってきた料理研究家としての仕事も

夫の世話も、夫の父親の介護も、身体が壊れる寸前まで頑張って・・・



そして事件当日。

介護してきた義父の葬儀の日。

立っていられないほど体調をくずしている睦子に、夕食を作れという夫。

「今日だけは店屋物か外食を・・・・」とお願いした睦子に対して


「飯を作るしか能のない馬鹿が、偉そうなことを言うな。」

「しょせん、お前は他人だから、父親の死は悲しくないだろう」


他人。


ずっとずっとガマンしてきたのに、耐えてきたのに

「他人だから」っていう、氷のような言葉で、睦子は裂けてしまった。


タイトルの「凍裂」っていうのは、厳寒期に樹木の幹が轟音とともに

割れること。幹内の水分が凍結し、膨張することで樹が裂ける・・・


あの日、あの言葉で、睦子は音もなく、凍裂した。


そして、衝動的に、夫を包丁で刺した・・・・・・



もうね、本の中の出来事としても、睦子があまりにもかわいそうで。


息子や娘が必死で集めた嘆願書の効果もあり

執行猶予つきの判決がでた睦子。


これからは、あんな夫は見限って、幸せな人生を送ってもらいたい。


↑だから、小説の中の話だって(笑)





長々と読んでいただき、ありがとうございました。