前回、ピアース発振回路でコイルのインダクタンスを計測できました。

今度は他の発振回路(LCR発振回路など)で測定してみたいと思いましたが、そのためにはきれいな交流(正弦波)が必要です。しかも回路に合わせて周波数を変えなければなりません。

ウィーンブリッジ回路で実験するにも2連抵抗などは持っていないので無い知恵を絞りました。

矩形波ならLMC555というタイマICで出せることに気が付きました。

LMC555は外付けの抵抗1つとコンデンサ1つでデューティ50%の矩形波が出せるのでこれをPIC16F1705の外部クロックとして使えば、正弦波を出力しているPICのプログラムは変更なしに周波数が変えられるのではないかと考えました。

LMC555の外付け、抵抗は100KΩのボリューム、コンデンサは220pFにしました。
データシートによると3MHzまで安定した矩形波ができるとあります。
発振が停止しないぎりぎりの値まで抵抗値を下げていくと4.1MHzまでいけることがわかりました。

PICのプログラムを書き換えて、PLLをEnable(ソフトウエアで入力クロックを4倍して動作)にして、正弦波を出力する部分はアセンブラで書き、待ちをなくします。正弦波はきっちり256インストラクションで1波長です。

PIC動作中に外部クロックが変更されたら暴走するのではないかと思い、リセットできるようにはしていたのですが、意外や大丈夫でした(かなり乱暴です、くれぐれも自己責任でお願いしますm(u_u)m)。


抵抗100KΩ/100kΩ(⇒LMC555の出力周波数 約261kHz)
PICの出力周波数 1028Hz (≒ 261k ÷ 256)



スペクトラム


波形



抵抗82Ω/100kΩ(⇒LMC555の出力周波数 約4.09MHz)
PICの出力周波数 16078Hz  (≒ 4.09M ÷ 256)


スペクトラム


波形(16Kともなるとこんなにグチャグチャ?でもスペクトラムはきれいです)


無階調で1k~16kHzの周波数を持った正弦波が出せました^^。

これでいよいよ本命のインダクタが測れるかも。



---------------追記----------------
LMC555のデータシートからDuty50%の矩形波出力方法を抜粋


今回の回路図


以上