池袋北口さんとはらちんさんの記事2つ
流星の経路を求めてみよう(撮影地再訂正) と 火球も観れたふたご座流星群。

それぞれの写真から、おおよその流れ星の経路を計算してみました。

前提として地球は平面。

北口さんの写真分析
 開始:方位角 213.1533°、 高度 45.4311°
 終了:方位角 213.4288°、 高度 38.7761°

はらちんさんの写真分析
 開始:方位角 245.3530°、 高度 44.3147°
 終了:方位角 245.8533°、 高度 37.9769°

を利用しました。

すると、伊東市上空でおよそ108kmの高さで輝き始め、およそ83kmで蒸発したことになりました。








おふたりの写真とも微光星がわりと写っているのでそれと相対的な方位角・高度を見積もるのが容易で、全体的に100kmくらいずつ(観測地、流星経路、高度も!)離れているので誤差が少ないように思います。

計算詳細は書くのが面倒なのでとりあえず結果だけお知らせです。


-----------------------------------ここから追加------------
追加できちんと計算してみました。
写真からの読み取り値(誤差多し)と撮影地が正しいこと地球が真球が前提です。

方法はシンプルで、2つの平面を求め回転、交点は外積を使ってピンポイントで球面上の地点を求めます。

千葉の撮影地点と地球の中心を結んだ軸を中心に子午線平面を方位角だけ回転させます。
同様に池袋の撮影地点と地球の中心を結んだ軸を中心に子午線平面を方位角だけ回転させます。2平面の交線を求め、さらに球面上の交点を求めます(2つのうちひとつが正解)。


1.地球を単位球として千葉撮影地の座標を求めます。
  右手系なのでy軸が北極、z軸が経度0度。
  E140.163、N35.351 ⇒
    cx = sin(140.163) * cos(35.351) = 0.522493
    cy = sin(35.351) = 0.578584
    cz = cos(140.163) * cos(35.351) = -0.62629                            

2.千葉撮影地を通る子午線平面の法線ベクトルを求めます。
  cnx = sin(140.163 - 90) = 0.767870
    cny = 0
    cnz = cos(140.163 - 90) = 0.640606

3.千葉撮影地-球心を軸に上記で求めた法線ベクトルを方位角(245.8533)分回転させます。
    t = cos((180 - 245.8533)/2)、s = sin((180 - 245.8533)/2) として 
  q = t, s * cx, s * cy, s * cz = (0.839367, -0.28401, -0.3145, 0.340431)
    cv = q * (cnx, cny, cnz) * q' = (-0.0241, 0.744257, 0.667459)
    千葉撮影地と蒸発点と球心を通る平面の法線ベクトル cv が求まりました。

4.同様に池袋撮影地の座標を求めます。
  E139.711、N35.731 ⇒
  ix = 0.524924
    iy = 0.583981
    iz = -0.61921

5.池袋撮影地を通る子午線平面の法線ベクトルを求めます。
  inx = sin(139.711 - 90) = 0.76279249
    iny = 0
    inz = cos(139.711 - 90) = 0.646643

6.池袋撮影地-球心を軸に上記で求めた法線ベクトルを方位角(213.42888)分回転させます。
    t = cos((180 - 213.42888)/2)、s = sin((180 - 213.42888)/2) として
  q = t, s * ix, s * iy, s * iz = (0.95775, -0.15097, -0.16795, 0.178086)
    iv = q * (inx, iny, inz) * q' = (0,428568, 0.447204, 0.785072)
    池袋撮影地と蒸発点と球心を通る平面の法線ベクトル iv が求まりました。

7.2平面の交線は法線同士の外積で求まります。
  lv = cv x iv = 略 = (0.285805, 0.30497, -0.32974)

8. 交線が単位球で交わるところを求めます。
  ベクトルの長さが1になるよう係数を求めて掛け算するだけ。
  √(1/|lv^2|) = √(1/(0.285805^2 + 0.30497^2 + 0.32974^2)) = 1.8783867
    蒸発点座標 = 1.8783867 * (0.285805, 0.30497, -0.32974)

9.単位球の座標を東経・北緯に変換します
  北緯 = asin(1.8783867 * 0.30497) = 34.94928
    東経 = 180 - asin(1.8783867 * 0.285805/cos(34.94928)) = 139.0827

この値をGoogleに入力したところ、この場所になりました。

-----------------------------------ここから再追加------------

蒸発点の高度を求めます。
1.単位球面上の伊東座標と千葉座標の内積を求めて、離角を求めます。
  伊東座標(既出) tx = 0.536851, ty = 0.572851, tz = -0.61938 
  千葉座標(既出)  cx = 0.522493, cy = 0.578584, cz = -0.62629
     (中略)
  離角Θ = acos( t ・ c) = 0.967844

2.地球半径を6366.2km(=40000/2π)として(正確には赤道半径:6378.137km、極半径:6356.752kmらしい)
  正弦定理を使います。
  sin (90 - 37.97694(千葉高度) - 0.967844(離角)) / 6366.2 =
    sin (90 + 37.97694(千葉高度)) / ( X + 6366.2 )
    X = 85.99897 km  (回転楕円体としても範囲は85.87~86.16km)