【結果】佐野魂9・28新木場 | 女子プロレス専門誌『RINGSTARS』

【結果】佐野魂9・28新木場


 28日、新木場は夢の島にある東京スポーツ会館にて、プロレス佐野魂スピンオフイベント Mixtanleyが開催。発表は佐野直&真琴vs. 華名&くいしんぼう仮面のミクスドマッチのみのワンマッチ興行だったが、このカードがノーコンテストに終わると、華名が佐野魂での最強を決めるOne Dayトーナメントを急遽提案。勝ち上がって優勝したのは、一日3試合の経験となった真琴。お客さんにとっては場外での攻防含めて近い距離でお目当ての選手がたっぷり堪能できる、貴重なプレミアム興行となり、大満足だったことは間違いない。


※記事&写真提供:佐野魂


佐野魂スピンオフイベント『Mixtanley』
◆9月28日(日)東京・BumB東京スポーツ文化館 マルチスタジオ(19:00)


▼メインイベント ミックスドマッチ・時間無制限1本勝負
 ▲佐野直&真琴(19分25秒/両者リングアウト)▲華名&くいしんぼう仮面


 試合は、REINA女子プロレスで因縁の続く真琴と華名が、グラウンドのねっちこい関節技含めて激しくやり合う展開に。全員が場外で潰しあいしているウチに、無情にも20カウントが入ってしまう。「こんなんじゃ、せっかく来てくれた数人のお客さん、納得できんやろ」と華名が自虐的に提案。急遽、One Dayトーナメントが開催されることになり、自然と佐野直vs.華名、くいしんぼう仮面vs.真琴が決まる。


▼佐野魂最強トーナメント一回戦
 佐野直(8分36秒/リングアウト)華名


 佐野が男女対決ならハンディが必要と、たまたま華名が腰につけていたアクセントの腰紐を公認凶器に使ってもイイと失言! おかげで、その腰紐で佐野はさんざん痛ぶられる展開に。また、場外乱闘では、なんと壁際の佐野に華名がヒップアタックを敢行。壁にモロに佐野の頭が当たり、ゴツンと音が響いた。終わってからのコメントでも、佐野は「あの不意打ちは効いた」と述べれば、華名は「そこにちょうど頭があったから、とっさに尻を出した」と涼しい顔。場外にいる相手選手目がけてのヒップアタックなど、たいがいのバリエーションは目にした気がするが、壁際の頭目指してサンドイッチで挟み撃ちというのは、もしかすると史上初かも。インパクト絶大だった。最後は華名がリングポストに首輪よろしく腰紐で佐野をしばりつけたまでは良かったが、佐野が「リング内で決着をつけよう。バズソーキックかなにかでフォール取られて負けるから、紐はほどいてくれ」と懇願。真に受けた華名がほどいてやるその時、無情にもレフェリーのカウントが続けられており、間一髪、佐野がリングに滑り込み。「トーナメントを提唱した以上、優勝するのは私」と自信満々だった華名だが、裏切られたため決勝進出を逃した。


▼佐野魂最強トーナメント一回戦
 真琴(5分48秒/アラベスク)くいしんぼう仮面


 レアな対戦は、極めてストロングスタイルだったのが新鮮。欽ちゃんジャンプはお約束にせよ、場外でコブラツイストを決めるくいしんぼう仮面に真琴は苦悶の表情に。最後は真琴がスピアーを決めてからのジャックナイフホールド(アラベスク)でフォールを取った。真琴がマイクを要請、なにをしゃべるのかと思っていると、「お手洗いに行かせて下さい」と宣言。決勝を前に3分間の休憩となった。


▼佐野魂最強トーナメント決勝戦

 真琴(10分12秒/スモールパッケージホールド)佐野直


 決勝戦も男女の試合とは思えない、王道というか激しい闘いに。違和感を感じさせないのが佐野の技量なのか、真琴もやったらやり返すで一進一退の勝負に。場外での真琴の無気力キックには、佐野がバンバンと体を宙に浮かせて飛ばされた。フィニッシュは一瞬のスキをついてのスモールパッケージ・ホールドが極まり、レフェリーが3カウントを叩いた。佐野「負けてしまったので、今日から私はマコト軍団です。…ウソに決まってるだろ。今度はマコト軍団と全面戦争だ!」、真琴「これで自分は最強だぁ!」。締めは「“まこまこじるし”で大丈夫ですか?」とお客さんに聞いて、プレミアム興行を終えた。


★大会終了後のコメント

 佐野「やりたいことは、見に来なかった人が後悔するような大会を目指した。お笑いでない試合で、華名さんが笑顔だったのが印象に残った。それにしても壁際でのヒップアタックは効いた。初めてやる技、初めて公開したことになる。華名は採算度外視で協力惜しまないからレスラー冥利に尽きる。華名vs.佐野は数少ないとっておいたカードで、これで新宿FACEくらい埋まったのかもだが、トーナメントということで出した。真琴はアイスリボン辞めてWWEに行くと言ってWNCに行き、REINAになった。なんか迷ってるんじゃないかと。若いんだから、楽しくやればいいんだ。今のプロレス界は沈んでいて稼げないんだけど、矢郷良明の名言に『お金は諦めた。楽しければイイよ』というのがある。もっとプロレスを楽しめよ、ということだ。食いしんぼう仮面については、大先輩なので私から何か言うのはおこがましい。真琴のファンで、いつも来る方がいるんだけど、帰りがけに『今日は有難うございました』と言われたのは嬉しかった。いつもよりは楽しくやっているように見えた。今日の興行は勝ったかな、と」


 華名「(佐野が笑顔を見れた、と言ってましたが)え?真面目一筋なんで…。ヒップアタックの感触はあった。そこに頭があったんでやりました。私が提案したトーナメントなんで、決勝に上がっていくと思っていたけど裏切りにあってやられてしまった。リベンジします」


 真琴「自分が最強だと示せて良かった。でも、ワンマッチ興行も、佐野さんも舐めていた。今日一日が、身も心もハードだった。私は早くから来たんですが、ワンマッチ興行は大変でもうやりたくないくらい(笑)。勝ったんだから、佐野はREINAの裏方でアゴで使います! 華名に勝った佐野に勝ったんだから、自分の方が強いということです。明後日(9・30)、REINAで自分と朱里がWNC女子王座のタイトル戦です。華名に見せつけてやります!」