メキシコ行きの理由は栗原あゆみ2度目のドラゴマニア出場だ。

アレナメヒコという、2万人近い収容能力を持つ、メキシコ最大の

会場に立つのがどれだけ栄誉あることか。

とはいえ、実際に見ていないのだから、これは体感するしかない。

昨年初参戦を果たした際、栗原は「夢の舞台、夢の空間」と称した。

その「夢」を日本に紹介することことが、僕の目的だ。


さらに同日、A☆YU☆MIがX-LAW女子王座決定戦に出場する。

さまざまな要素が今回の遠征には詰まっていた。


メキシコではHIROKAやダミアンが快く迎え入れてくれた。

日本では彼らと何度も何度も食事にいき、空港に送迎し、ジムや

買い物に付き合った。

彼らはそれをとても喜んでいてくれたらしく、逆の立場になると

時間の許す限り、付き合ってくれた。

これは異国の地で本当にありがたかったことだ。

僕はメキシコは初めてでスペイン語もろくに知らない。

それだけに親身に接してくれた二人には感謝しかない。


一度、栗原がお腹をこわしたことがあった。

HIROKAにそれをメールして「薬をもらえないか」と頼んだら、

我々が試合後ホテルへ帰るまでにわざわざロビーに

持って来てくれた。

ホテルのフロントで薬を渡されたときはちょっぴり感動したものだ。


栗原の試合は2試合。さらにA☆YU☆MIが3試合を行なった。

6月に入ってからは、中川ともかが栗原を追ってメキシコ入りをしてきた。

彼女の栗ハンターぶりには執念を感じる。

現地に入った翌日、僕はさっそく彼女とコンタクトを取った。

「A☆YU☆MIがXーLAWを取ったことが気に食わない。ハードコアと言ったら

自分が巻くべきもの。自分が挑戦してベルトを巻いて日本に帰ります」と言う。


栗原と中川の関係に関して、いまさらいうまでもない。

4月にアメリカ遠征をした際も栗原、中川、松本浩代、大畠美咲の

4人一緒に撮影する際は十分気を配った。

本人たちは決して口を開くこともないが、周りにその空気も伝わるから

なるべく隣り合わせにしないように配慮したものだ。


中川は6・3ナウパルカン大会で、A☆YU☆MIとのカードが組まれ、

ここで試合後マスク剥ぎの暴挙に出た。


このときのマスクはメキシコの国旗をあしらった特別のもの。

破られたA☆YU☆MIは怒り心頭。

その場で「タイトル戦、挑戦を受けます!」と宣言した。

中川にとってはしてやったり。


アメリカのシマーでは第一戦が両者のシングルだったけど、

メキシコでは結果的に2連戦、うち一つがタイトル戦という

状況となった。