自分の命は自分で守るということ | was in POLAND

was in POLAND

-ポーランド留学のぶろぐ-

ご無沙汰しております。
留学期間後半、帰国後と全く記事を書いていなかったのですが、そんな私もさすがに衝撃を受けたニュースが目に飛び込んで来ました。

ある海外留学(インターンシップ)のプログラムでルーマニアに渡航した女子大生がレイプされ殺されてしまったという事件です。
NHKの記事を参考までに載せておきます。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120819/k10014376372000.html 

今までいたポーランド、中欧とさほど遠くない国。
旅行したオーストリアやハンガリーのすぐ隣の国。
一番最初に同じ寮に住んでいた友達の出身地。

色々と感じたことはありましたが、一番危機感を覚えたのは、日本人の無防備さについてです。
このブログにも私は割とポジティブなことしか書いていなかったし、留学後誰かに話をするときも楽しかった思い出ばかりを話していましたが、実際はこういった危険と隣り合わせの生活だったのも確かです。

最近は男性よりも女性のほうが海外へ行く学生が多いこと、
私が通っている大学でも途上国開発プログラムが増えて人気があること、
留学する友達がたくさんいること、
とっても嬉しいことですが、海外へ行くという事はどういうことなのか、今一度考える必要があると思います。

■経験者の「なんとかなる」について
海外経験者などはよく「なんとかなるものだよ」なんて後輩に言ったりします。実際に私もそういわれたし、言ってしまったと思います。でもこの言葉には注意が必要です。
実は、なんとかなるという言葉の本当の意味は、「適当にやったらなんとかなっちゃった」という事ではなく、「下調べや試行錯誤をして考えた結果とった行動で、なんとかうまくいった」という意味であることの方が多いからです。
また、本当に適当に判断していいこととそうでないことをしっかりと見極めたうえで、自分の命にかかわらない部分は「適当にやってなんとかなった」という意味も含まれると思います。

ですから、この言葉を鵜呑みにして無計画でなにも調べずに行けという意味ではないのです。
留学前の準備などで本当に心配しすぎている相手などについ使ってしまう言葉だと思いますが、注意が必要だと改めて感じました。

■自分の身を守るということ
同じ土地に同じ期間暮らしていても、なぜか危険な目に遭ってしまう人と、全くそういうものとは無縁な人とがいます。
両者の違いはなにか。
やはり、日頃から危機感をもって、「自分は外国人なのだ」ということを意識しているかどうかだと思います。
外国人の友人と話すとき、現地の人と関わるときに壁をつくれという事ではありません。ただ、常識が違うということは前提条件として頭の片隅に置いておく必要はあります。
ブランド物のお財布ではなく小さい小銭入れを持ち歩く、カードと現金は別にして持ち歩く、夜に危ない道を一人で歩かない、闇タクシーと普通のタクシーの見分けを付ける、知らない人にやたらとフレンドリーにしない(注意していれば二言三言話せば相手の意図くらい判断できるはずです)、怪しいと思ったらすぐに対策を練る、意識的に「しっかりする」など。

日本人はお金持ちと見られますし、特に女の子は注目を浴びます。
男性はお金を取られたり、暴力をふるわれたり、そういった被害に、女性は体を狙われる被害に遭いやすいと思います。特に酔っぱらった夜は要注意です。
日本人一人で夜出かける際には必ず、一緒に帰る約束をして女友達3名くらいとグループで待ちあわせして行くなど、もしものことがあった時のために日頃から自分で対策を考えておくことをお勧めします。

こういった事件などは「どうにもならない」場合もありますが、被害に遭う確率を下げることは自分で事前に対策したり気を付けることで十分に可能です。できる限りのこと心がけてください。

■実際の東欧、中欧の治安について
私が暮らしていた経験、留学していた経験から言って、東欧や中欧は、私たちのヨーロッパのイメージである西欧とは雰囲気が全く違います。旧共産主義の国は89年のソ連崩壊後から資本主義になったため、そのぶん発展も遅れています。今の日本の感覚で訪れるといい意味でも悪い意味でも驚くでしょう。
治安は国によって大幅に異なります。判断基準としては、通貨がユーロであるかそうでないか、どんな歴史的背景があるかなどが挙げられるかと思いますが、その時の国の状況もあるので事前にニュースなども併せ調べていくほかはないと思います。
例を挙げると、オーストリアはものすごく物価が高く、観光都市、ウィーンは日本人が日本にいるそのままの感覚で旅行しても「優雅なヨーロッパ旅行だったわ」という感じでしょう。
しかし、隣のハンガリーとなれば状況は一変します。通貨はユーロではなく、物価も日本の三分の一くらい。ただし観光客は少なく、英語が通じる場所はウィーンよりも大幅に減りますし、共産主義の面影の残る雰囲気です。
この二つの国、首都同士はバスで2~3時間の距離です。国境を越えるのにパスポートもいりません。ところが、こんなにも様子は違うのです。
では、ハンガリーのその東の先のルーマニアはどんな国なのか・・・こうして考えると、すこし想像がつきますよね。

飛行機でウィーンからルーマニアまで行ったと思われる被害者の方。
ですが、ウィーンの観光気分ではとても危ない場所だったのは、すこし冷静に考えれば想像がついたはずです。
友人にいい人がいるとその国全部がいいように思えてしまう、というのはよくあることですが、現実問題では観光都市である西欧でもスリからはじまり様々な犯罪は起きています。注意していればなんともないですが、やはりその国特有の「気を付けなければならないこと」はどこへ行ってもあります。
それは法律的なものであったり、犯罪に遭わないようにするための防止策だったりします。

こうして書くと「その場所が日本よりもはるかに危ない場所」のように思えますが、日本だって気を付けていなければ、気を付けていたってこうした被害にあう可能性は決して低くはないはずです。ですが、私たちは無意識のうちに身を守る方法を知っていてそれを実行しているし、皆が日本人だから狙われる確率は当然低くなるのです。
その土地にはその土地での身の守り方が必ずあります。治安情報、旅行情報はかならず調べてから渡航しましょう。


■つまり…
つまり私が今回感じたことは、タイトルの通り
「自分の身は自分で守らなければならない」ということです。

何かのプログラムになってパッケージ化されているとなんとなく「まもられている」感じがしますが、これは非常に危険です。修学旅行も同様です。
旅行中は目新しいものがたくさんで、なににでも挑戦してみたくなります。
しかし、一歩立ち止まって冷静に考えることを怠らないように。浮かれている私たちを狙っている人たちは沢山います。
自分が置かれている状況を考えることはどこへ行っても大切です。

旅行や留学をすることはとても良いことです。しかし、遊び方を間違えると大変なことになります。
自分の判断基準をしっかり持ち、安全第一を心がけてください。


risa