こんばんは、Ringraseです。秋も深まってまいりました。
少し間延びしてしまいましたが、その間、この本、2回読破してました。
それでは、行ってみましょう。
<キーワード>
・想像力と創造力
・しつこさ、スピード、学習能力
・リーガルリスク・ジャングルの時代
・ビジネスと法律の橋渡しが法務担当者の役割
<要旨>
○企業法務担当者の心構えとして重要なことは、想像力と創造力を使って複数の案を出したり、現場を見に行き業務の特徴を抑えること。そして、クライアントの一手先を見てアウトプットを柔軟に変えること。
スキルアップの3要素としては、しつこさ、スピード、学習能力がある。
法務の近年の傾向として、アメリカ化(訴訟の増加、コンプライアンス重視、法曹人口の大幅増加)、リーマンショック以降の多極化(新興国の台頭による模倣品、外資規制と優遇策の並存、贈収賄リスク増加)が顕著である。
このようなリーガルリスク・ジャングルの中で、安全な道を誘導するのが法務の役割である。
○法務の業務プロセスの中では、クライアントの目標・目的を明確にして、ゴールから逆算して考えることが大事。時には自分の業務を椅子から立ち上がり物理的に客観化することも。
ヒアリングを通じて、緊急性、重要度を判断し、クライアントの目的も明確化することが大切。
○契約書審査では、審査時はプリントアウトしたものに赤入れし、PC入力後も2、3回レビューすべし。読みやすい文章(主語述語の対応、主語を明確に、主語と述語を近づけるなど)にすべし。
○クライアントへの回答時は、ビジネス文書として、読み手に解読をしいない文章にする。MECE(漏れダブりなし)に気をつける。文書力向上に、ロジカルで質の高い文書(新聞、ビジネス書、弁護士の文書)を数多く読む事、などが重要。
○リーガルリサーチの素材としては、 商事法務、NBL等の法律雑誌の他に、有料データベースに有用なもの(日経テレコンなど)がある。信頼できる自分なりのファーストコンタクト先を確保すべし。適時開示を行っている企業のウェブサイトへのアクセスも有用。
○交渉では、BATNA(Best Alternative to a Negotiated Agreement)や、相手方のギリギリの線をを意識する。
○弁護士には、分かり易く説明すべし
○品質クレーム紛争 では、 勝算があるか見極めて、支払い範囲、方法を決めるべし。
○訴訟で勝つのは、正しい方ではなく、より強い証拠を出した方
○新興国進出に関する法務問題としては、 社員の競合化リスク(秘密保持、競合避止義務違反)、 外資規制、
贈収賄リスクなどが挙げられる。まさに、新興国はリーガルリスクジャングル。
○其の他、典型的な契約書のセオリー(売買契約、開発委託、システム開発など)もあり。
<感想>
読んでまとめるのに長くかかったが、法務から離れて久しい身にとっては復習になり為になった。
何回か出てくる「リーガルリスクジャングル」という用語が印象深い。新興国では、贈収賄、社員の競合化など一寸先は闇なのである。アメリカンスタンダードのようなまっすぐなこと(訴訟、コンプラ徹底など)をすれば良いだけではすまない。何か、ベトナム戦争の落とし穴を思い出す。そこでは、体の小さいベトナム人のみが入れる穴や洞窟があり、体のでかい米兵は苦戦した。ビジネスでもどこか似ている所がある!?。
契約審査の時のスタイルに関しては、本書でも印刷した紙に赤入れするのが基本ということで、以前当方がやっていたのと同じだったので安心した。出来る人は全てPCでやっているようなイメージがあったので。
しかし、改めて必要なのは、リスクを考えるイマジネーションであり、リスクと利益のバランスの良いビジネス展開につなげること。
また、コンプライアンスに関しては、何やかんや言って、重要なのは一人一人の意識であり、それを高めるサポートをするのが法務の役割。だから、WEB上のクイズや研修で意識を高めるのが早道である。「これっていいの?」っていう感覚を社員に覚えさせるのが大切。特にカルテル、収賄など、すぐそこに落とし穴が待っていることも多いのだから。社員の頭の中にあるコンプライアンスの部分に、各案件の引っかかる確率をどう高めるかって言うところ。
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それにしても、法務って「○○を売ってきた!」や、「○○円CDした!」っていうような目に見える充実感とは遠いところにいる世界で、予防業務が中心なのでやりがいを感じる瞬間ってなかなか難しいと思います。
でも、何度も見直した契約書がきれいに仕上がった瞬間や、それが先方にも受け入れられて締結された瞬間ってやはりそれなりに嬉しかったと記憶しています。
先日の「やる気の起こし方」でも書きましたが、自分なりのプチ目標(最低3つは案を出す、 最低10個は吹き出しつけるとか、 最低何時には終わらすなど)を持って取り組むと、地味な予防法務でも容易に達成感は得られてやる気の継続って出来るかもしれませんね。自分は昔、仕事後の夜の街を餌に使って燃えていた思い出がありますが、燃えるのが週末に偏っていたかも(笑)。
皆さん(特に、法務の人)はどうやって、日々の達成感、モチベーションを確保しているんでしょうかね。気になります。良かったら教えてください。
いい仕事って、毎日の積み重ねだから、その場その場のモチベーションの確保がやはり重要なんですよね。
ではでは。
明日は連休最終日。やることサクッと終わらせたいところです。
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