今回は、池井戸作品。久々の小説についての論評。
でも、小説の論評って難しい。というのも、学びが少なく、感じる部分が多いから、
ある意味、映画の感想に近いかな。
【あらすじ】
一言でいうと、部品会社が大手企業に楯突く反骨ストーリー。
研究者の夢をあきらめた主人公が、部品会社の社長を引き継いで、他社から訴えられたり、
訴え返したりしながら、勢いに乗って、自社の特許の優位性を活かして、
大手の重工会社のロケット部品納入を試みて、紆余曲折を経ながら
何とかうまく成し遂げるサクセスストーリー。
【感想】
なんとなく面白かった。
でもオーディブルで聞いていてストレスも感じずにはいられなかった。
というのも、自分の会社での話にオーバーラップするから、うまくいかない仕事について
どう言い訳するかとか、いやらしい政治的な部分に否が応でも触れなければならないから。
特に財前部長が情にほだされて、主人公の会社を推すようになり、自分の会社の部下や
上司からハブられそうになるのは少し気の毒であった。しかし、最終的には財前部長が
勝つから、ストーリーとしては溜飲が下がる。
主人公は、宇宙という男のロマンを持っている。
男のロマンという子供じみた言葉を使うが、いつになっても男は夢を諦めてはいけないのである。
「夢を諦めたときから人は年老いていく(A.猪木)」のである
諦めないからこそ、夢はかなう。
そんな夢を人生のふとしたきっかけから見つけて、再び邁進する素敵な物語。
自分も数々の夢を不意にしてきたかもしれないが、またどこで、ふとしたきっかけで夢に邁進するか分からない。
日々を大切に、「気づき」を大切にして、限られた人生を生きていこうと思う。
おわり。