月より太陽を

月より太陽を

月は太陽の光を利用し、満ち欠けしながら人々を魅了します。太陽は自ら放つエネルギーで地球上に様々な恩恵をもたらします。どちらかと言えば、独力で輝き恩恵をもたらす太陽のような存在に、私は惹かれます。

先日、妻とパリ旅行をしてきた。

今回の旅の目的の一つには、「パティスリーサトの源流を辿る」という、私たちなりの小さな楽しみもあった。


サトのシェフが修行したという、パリ12区の名店 Blé Sucré。

事前に入念の下調べをし、朝早く起き、胸を高鳴らせながら店を訪ねた。


ところが――

なんと、滞在期間中はまさかの臨時休業😩


パリでも評判の人気店だけに、ショーケースに並ぶお菓子をこの目で見られなかったのは、やはり残念だった。


それでも、不思議と無駄足を踏んだ気はしなかった。

店の佇まいと、周囲の街の空気に触れただけで、どこか満ち足りた気持ちになったからだ。


ここでシェフが腕を磨き、あのサトの味へとつながっていったのかと思うと、ただの街角の風景さえも、どこか特別なものに見えてくる。


仕方なく……と言っては失礼だが、近くのパティスリーでパンやケーキを買ってみた。

もちろん美味しい。さすがはパリだ。


けれど、不思議なことに、食べながら思い出してしまう。

サトの、あのお菓子を。


実は出発前、マダムにパリへ行くことをお話ししたところ、いくつかおすすめのパティスリーをとても丁寧に教えてくださった。

その一つが、パリでも人気の Yann Couvreur。

さらに、日本でもよく知られる名店にも足を運び、いくつか味わってみた。


どの店も確かに素晴らしい。

歴史も格式もあり、ショーケースはまるで宝石箱のようだった。


しかし――


いくつか食べ比べてみて、あらためて思った。

パティスリーサトのお菓子は、本場フランスの名店に決して引けを取らない。むしろ、堂々と肩を並べている。


味の繊細さ。

素材のバランス。

そして、芸術品のような美しさ。


パリの名店を巡れば巡るほど、「ああ、サトは本当にすごい店なのだ」と実感した。


世界中の美食家が憧れるパリのパティスリー文化。

その水準に並ぶお菓子が、地元・新河岸で気軽に買える。


そう思うと、それはとても贅沢で、どこか誇らしいことのように感じられた。


しかも、あのクオリティを驚くほど良心的な価格で提供してくれている。

改めて、パティスリー・サトに感謝したくなった。


パリの街を歩きながら、何度も思った。


世界に誇れるパティスリーが、私たちの町にあるのだ、と。


パリから遠く離れた新河岸に、

小さく、けれど確かな宝物がある。


次にサトのお菓子を食べるとき、

きっと私たちは、パリの街角を思い出すだろう。


Pâtisserie SATO(パティスリー・サト)

川越市砂新田1-14-26