鳥籠に閉じ込められた小鳥は
張り詰めた空間の中で
いつもじっと息を潜めてる

ときたまやってくる恐ろしいものに
触れられないように
身動きひとつしないでじっとしている

小鳥は思った
その恐ろしいものは自分とは全くの無関係だ
だから見ないふりをしていればいい
通り過ぎていくのをただじっと待てばいい

小鳥はじっと待ちながら思った
大人の鳥になったら籠の外に出て行こう
きっとそんなチャンスがやってくる
そうしたらきっと自由が待っている

それが小鳥にとって唯一の希望だった
小鳥は毎日そうやって
時間が過ぎて行くのを待っていた

或る日また恐ろしいものがやってきた
いつものように見ないふりをすれば良かった

その日の小鳥はなぜだか急に
これ以上はもう耐えられないという衝動に駆られた
なにかがはじける音がして
目の前が真っ白になった

気がついたときは遅かった
恐ろしいものに刃を向けていた
小鳥はその後のことをよく覚えていない
ただ震えだけがおさまらなかった


いつものように見ないふりをすれば良かったのに


それから大人になった小鳥は籠の外に出た
自由が待っていると信じて

あんなにも憧れた外の世界だった
自由だと感じられたこともあった
でもそんなものは錯覚にすぎなかった

自らが恐ろしいものになってしまった小鳥に
自由なんて待っていなかった

先に罪を犯したのは小鳥のほう
先に逃げ出したのも小鳥のほう

結局捨てられたのは小鳥のほう




会えないさみしさに気を紛らわそうと


本を読んでみたけれど

音楽を聴いてみたけれ

映画を観てみたけれど


会いたい気持ちは募るばかり


暇な時間は有り余るほどあるはずなのに

不必要なほど、いちいち感化される心は

あっちこっちいったりきたりで忙しい


勝手に楽しくなったり

勝手に泣きたくなったり


勝手に明るくなったり

勝手に落ち込んだり

いったいどうしたら落ち着いていられるのだろう


やっとの思いで会えたとき

そうして想っていた数え切れないくらいの気持ちは

いつも決まって100分の1も伝えられなくなる




Incomplete soup-the notebook


「きみに読む物語」

本当に素敵な映画でした。