それはまるで

エレベーターの扉みたいに

目の前でゆっくりと閉じられた


閉じられた瞬間


間にできた隔たりは途端にひろがり

ぐんぐん伸びてどんどん離れた


それはまるで

ふたりの間にある透明の薄い膜が

急に分厚くなって押し離されるみたいに


けれどもその分厚くなった膜は

四角いトンネルみたいな空間に変化した


ふたりはトンネルの両端に立っている

空間はとても頑丈でしっかりとしている


確かな繋がりを感じた瞬間

今度は真ん中を軸にして

ぐるぐるぐわんぐわん

ものすごい遠心力で回りだした


引っ張られてどこかに飛ばされないように

必死で踏ん張って足もとに力を入れた


止まったと思ったら今度は

扉の向こうにいたはずの君が隣にいた


ふたりは電車のような乗り物の一番前にいた

乗り物は全速力で走り出した

なにがなんだかわからないくらいの速度で


そうしてしばらく走ると目の前に障害物が見えてきた

ぶつからないように停める方法を探した


ひとつだけ見つけた赤いボタン

いくら押しても停まらない


もうぶつかると思った瞬間ぐっと力を込めて押した


もの凄い急ブレーキでそれは停まった


そうしたらなぜだか


もの凄い安堵感に包まれて

心から大丈夫だって思ったんだ