「話なんかわかんないんだから」
「何度もしつこく話すんじゃないよ」
ほかの患者さんや看護師さんから、冷たくあしらわれて、しゅんと小さくなった患者さん。
恐らくは幻聴と会話をしてることが多く、自分から話しかけてきても、脈絡もないし、ある単語の繰り返しだったりする。
でも、こちらからの簡単な問いかけには正確に答えてくれるし、楽しそうに話す。(もちろん聞き取るのも難解だけど)
今朝は、そんな彼女をストレッチに誘いました。二人組になるやつです。
なんとか説明して、何種類かやった。
彼女はたぶん、現実の会話をしてるとき、幻聴と必死に聞き分けている。
そして、現実の会話ができると楽しいんだ…
だから、話したがってる。
だから、少しでも話せたことに、わたしも、きっと彼女も、嬉しかったはずです…。
また、
昨日は、閉鎖病棟に昭和の曲が響きました。テレビの番組です。
その一時間だけ、楽しそうなみんなの顔が見れました。
わたしは、他に見たい番組があったけど、それより、みんなが少し楽しそうにしているのが見れて嬉しかった。
声にならない声。
歌にならない歌。
幻聴と幻覚がありながらも(おそらく)、テレビの音に耳を傾ける姿。
昨日はそんな夜でした。
明日は週に一回の、わたしははじめての回診日です……