前回の話はこちら→「初恋と屋上 #11

ではどうぞ↓


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渡邉 「じゃあまた明日」

長濱 「じゃあね」

志田 「またね」

渡辺 「ばいばい」



二人の家は同じ方向なんだ。

二人の姿が見えなくなると私は大きなため息をつく。そしてさっきまでしていた会話を振り返る



志田 「なんか無駄に恥ずかしい想いをした気がする」

渡辺 「でもあれを言わなきゃ友達になってたかどうか分からなかったよ?」

志田 「それもそうだね」



梨加には色々と感謝している
友達になってください、って言葉も梨加が言ってくれたし…私、何にもやってないじゃん



渡辺 「友達になれて良かったね、愛佳」

志田 「んー…」



でも、なんかスッキリしない
私は理佐と"友達"になりたかっただけなのかな
友達じゃなくて、その先の関係になりたいって思っていたような

…きっと気のせいだ。



渡辺 「どうしたの?」

志田 「…何でもない。」



特に話す事はなく、お互い何か話そうとわざわざ話題を考えたりはしない。私達にとってこれは普通の事で長い時間一緒に居るからこそ、この状況に気まづさや焦りを感じない



渡辺 「あっ愛佳、またね」

志田 「気をつけて帰りなよ」

渡辺 「はーい」



あっという間に一人になってしまった
無意識に頭の中にあの人が浮かぶ。理佐だ。
友達になったし、明日も理佐や長濱さんと話すかな
今のうちに話題でも考えておこ。


その後、家に着くとすぐさまソファで横になった
「あー疲れた」と吐き、ブツブツと独り言を言い出した
誰も居ない上にテレビもついていない。そんなリビングでただ私の声が響く

――疲れて眠くなったのか、ゆっくり瞼が閉じていった。



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渡邉 「私…好きな人ができたんだ」



理佐の声がする
はっ、と目を開けると理佐の姿が目の前にあって。



志田 「え」

渡邉 「誰だと思う?」

志田 「待って、」

渡邉 「ん?」

志田 「理佐の好きな人を知るのは…まだ先でいいかな。悲しくなってくる」

渡邉 「悲しくなってくる、って」

志田 「そのままの意味。わかった?」



自分で言った事なのに、なんでそう言ったのか理由が分からない。
今、私はどんな気持ちなんだろう。どういう想いで理佐にあんな事を言ったのか。
考える時間はなく、スッと周りが暗くなった



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志田 「………ん。ってもう22時じゃん」



時計の針が22時を示す
帰ってきてすぐに寝たから目がぱっちりだ。
晩御飯食べて、お風呂から出た頃にはまた眠くなってくれる事を願う
じゃないと眠くなるまで起きる事になって、自然と明日は遅刻する。



志田 「なんか変な夢見た気がするけど…どんな夢だったっけ」



ま、いっか。