「オリジナルな感情」



一つ、わからないことがあるんだ
まだ赤ちゃんだったとき
まだ言葉を知らなかったころ
ぼくはどう世界を感じていたのかな?
ぼくはどう感情を感じていたのかな?


もし、暖かさを感じても
そのときのぼくは……
「暖かい」という言葉を知らなかった
もし、悲しいことがあっても
そのころのぼくは……
「悲しい」という言葉を知らなかった


感情を言葉に置き換えることの出来ない
そのときのぼくは……
いったい、どんなふうに感じていたんだろう?
きっとそのころのぼくは……
今より、ずっと純粋に
全てを感じられていたような気がするんだ




「おまけ」



ねぇ、疑問に思わない?
いったい、言葉を知らなかったときのぼくはどんなふうに感じていたんだろう?
ちょっとうれしかったり。すごく悲しかったり。
今じゃ、そのころのことを思い出すにしても言葉頼みだよ。


今のぼくらは考えるとき、いっつも言葉を使って考えるんだ。悲しいことがあったら、悲しいって思う。うれしいことがあったら、うれしいって思う。
そうやって感情を言葉に置き換えて、自分が悲しいことをうれしいことを確認するんだ。


なんだか寂しいよね? 言葉に置き換えなきゃ感じることも出来ない。
人に伝えるために言葉は必要だと思うよ。でもまさか自分に伝えるためにも言葉が必要だなんてさ……


……自分で自分のことも理解出来ないわけだよ。

「心の成長痛」



ねぇ
知ってる?
心にだって成長痛があるんだ
君が傷ついて
心が痛いとき
それが心の成長痛なんだ
心が傷ついたわけじゃない
心が成長しているのさ
痛ければ痛いほど
君の心が強くなっているんだ
ほら……
目を閉じて、自分の心を感じてごらん
なんだか強くなっている気がするはずだよ
涙だって乾いてきた
悲しい気持ちもやわらいでくるの……
わかるよね?


そう
君はまた一つステキになったんだ
これでまた
微笑むことができるはずだよ



「おまけ」


心が痛いのは成長している証拠なんだ。
それを忘れないでほしい。
傷ついているんじゃなくて、成長しているんだ。


君が悲しくて、心がすごく痛いとき。絶対にこのことを思い出してほしい。


筋肉だってどこを鍛えているか知りながら鍛えた方がいいらしいから……心も強くなるのを実感しながらの方がいいに決まってるさ。

「エデン」



ねぇ、知っていた?
ぼくらが今もエデンの園に在ること
誰かが知恵の実を食べたから
頭が良くなって……
今ある幸せに満足できなくなって……
より大きな幸せを求めるようになって……
楽園を楽園と感じられなくなっただけなんだ


ほら、目をよく開いて見てみよう


ただ空を見上げるだけで
ぼくらは幸せになれるんだ


だってそこには
鮮やかな青空がある
雄大な雲がある
美しい星の海がある


ただ辺りを見回すだけで
ぼくらは幸せになれるんだ


だってそこには
優しい家族がいる
楽しい友達がいる
愛しい恋人がいる


よく考えてみて
これ以上の幸せなんてある?
これ以上に何か必要なものなんてある?


ねっ
ぼくらは今もエデンの園に在るんだよ



「おまけ」



ぼくらは今もエデンに在る。ぼくは心からそう思う。


エデンの園は楽園だ。アダムとイヴが知恵の実を食べて追い出されたとされる場所。
でも、真実は違うと思う。知恵の実を食べて賢くなった二人は想像力を得たんだ。
そして、楽園と呼ばれる場所で暮らしていた自分たち以上の幸せを想像できるようになってしまった。
今までは、食事のとき、木の実を取りに行って食べることは幸せだっだ。でも二人は、それに満足できなくなってしまった。
取りに行くことなく木の実を得ることができたらもっと幸せだと考えるようになったんだ。
そんなふうに、今在る幸せに満足できず、より多くの幸せを求めるようになった二人にはもう……エデンは楽園でなくなってしまった。
ぼくはそれが真事だと思う。


だからぼくらがいるこの世界。ここは楽園なんだ。
今の自分に満足して。これ以上の幸せを望むことがなければ、どこだって楽園に成り得るんだ。


重要なのは足ることを知ること。でもそれは向上心を捨てることにもなる……


うーーん。難しいね。どっちがいいかはわからない。
でも、だったら好きなほうを選べばいいと思うんだ。