こんな質問をいただきました。
↓ ↓
チタンとジルコニウムについて、詳細を教えていただきたく思います。
チタンとジルコニウムの違いに関して。
重さ、硬さ、耐久性、変色の違い。表面の色の違い。
ジルコニウムも変色しうるとききましたが本当ですか?
サイズ直しは不可?
変形などの可能性はなし?
青やピンクに変色するのはなぜ?とれないのか?
石どめ、フセこみは可能か?
また、仕上げ直しが発生した場合の見積もりをいただきたいです。
チタンもジルコニウムも、切削で作るのですよね?
以下回答です。
↓ ↓
チタンとジルコニウムについてですが、
いただいたご質問にお答えさせていただきます。
■重さは、
チタンの比重が4.5で、ジルコニウムの比重が6.5ぐらい。
鉄や銅が約8~9で、銀が10.5なので、
チタンもジルコニウムも軽い部類です。
■硬さは、どちらも同じぐらいで、
ステンレスよりもやや柔らかい程度。
結構硬いです。
■耐久性は、どちらも
指輪の肉厚があればほとんど変形しないです。
キズは、プラチナや金と比べれば、つきずらいですが、
全く傷つかないことはないです。
色をつけた場合の色の耐久性はジルコニウムの方が
2~3倍高いです。
■変色の違いは、
どちらも地の色は、大気中では、ほとんど変色しません。
チタンがごくわずかに黄変します。
この「変色」が僕の言う「発色」のことだとしたら
ジルコニウムの方が発色のバリエーションが広いです。
スカイグリーンやスカイブルー、
ペリドットのような発色をします。
■表面の色の違いは、
ほとんどわかりません。ごくわずかにジルコニウムの方が白いです。
■サイズ直しについては、
デザインによりますが、
一般に伸ばし、縮め、ともに1~2号程度なら大丈夫です。
ただし、
いただいた画のデザインでしたら、
伸ばす方は大丈夫ですが、
縮める場合は、形がくずれないように
かなり工夫がいりそうです。
石留めがされている場合は、
サイズ直しは、敬遠します。
(0.5号ほどの微調整ならば可能かもしれません)
■発色の仕組みにつきましては、
「構造発色」というのですが、
詳しくはこちらのブログで書いていますが、
http://ameblo.jp/ringology/theme-10022965683.html
硬い酸化皮膜が、光の干渉作用によって
発色したように見えているわけです。
そして酸化皮膜が強固なので、
とれずらいわけです。
ただし
全くとれないわけではないです。
なので、発色は肌のみが触れるリング内側や
溝の中にだけ施すのがおススメです。
■石留めにつきましては、
「フセ留め」にはあまり向きません。
粘りがあまりないからです。
こちらのタンタルに施しているような
http://ringology.org/banana/20110424160657.html
「ミル留め」でしたら、きれいに留まります。
■制作法は、
チタンとジルコニウムともに切削で
塊から削り出します。
■仕上げ直しは、
再度発色を施す場合は、2万円ほど。
研磨だけでしたら、1万円ほどです。
個人的にはチタンよりも
ジルコニウムの方が発色が美しく、
削り心地もサックリしているので
かたちがシャープにきまり、気にいっています。
僕がこれまでに作ってきたジルコニウムをはじめ
リングの数々はこちらでご覧いただけます。
↓ ↓
http://ringology.org/