タンタル VS プラチナ 価値を比較 | 【金属アレルギー専門】TOKYO DIAMOND 代官山指輪工房

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 金属アレルギーでも美しい結婚指輪を着けたい!
 そんな方の為に、9種類の素材から選べるオーダーメイドリングをお作りしています。

純白のプラチナと、漆黒のタンタル。

価値の違いは、どんなところにあるのでしょうか??


僕個人としては、タンタルの方がお気に入りですが、客観的な価値をひとつずつ比べてゆきたいと思います。



■まず、リング一本をつくる場合の値段について

プラチナは、リング1本で10万円~15万円ぐらい。
一方タンタルも、リング1本で、1本あたり10万円~15万円ぐらいです。

ただし、タンタルは鋳造ができず、まるごと削り出しでしか作れない上に、切削が困難なので、特別なかたちを作ろうとすると別途料金が発生することもあります。

基本的にはプラチナとタンタルは、同じ形であれば、ほぼ同じ値段になります。



■交換価値について

結婚指輪ならば、交換価値という尺度で考えるのはナンセンスかもしれませんが、国によっては、「指に残る財産」という考え方もあります。

プラチナの引き取り価格は、市場価格の25%~40なので、リング1つを交換すると2万円から6万円といったところ。

タンタルは、リサイクル市場が出来ていないので、現在のところ、おそらく0円です。



■市場価格上昇の見込みについて

未来のことなので、客観的な事実はありません。

これは全くの私見ですが、プラチナ、タンタルの市場価格はどちらも工業技術の革新によって、影響を受けます。

プラチナは現在、自動車の排気ガスフィルターとしての需要が、プラチナの需要全体の95%以上です。

そして、プラチナの替わりにパラジウムやニッケルのような安い金属でも排気ガスフィルターとして同じ効果を得るための研究が盛んです。

そのため、プラチナの代替材料が見つかった瞬間にプラチナ価格は落ちる可能性があります。


タンタルも同様、高価な材料であり、現在小型コンデンサに欠かせませんが、鉄や、マンガンなど安い金属で代替する研究が盛んです。

こちらも代替材が見つかった時点で、値上がりは落ち着くか、あるいは価格が落ちるのではないかと思います。


ちなみに、僕の勝手なタンタルの未来予測ですが、人間がサイボーグ化するような時代になると、タンタルの需要は大きく増えるのでは、と予想しています。

人体に埋め込んでも金属アレルギーの原因にならず、生体親和性の高い金属となったら、タンタル一択となるからです。技術が進歩しても、人体とデバイスの親和性というのは化学反応の問題ですから、タンタル以上に生体親和性と丈夫さにおいて、両方を満たす金属素材はないからです。

事実、医療分野で血管に挿入するカテーテルにはタンタルが使われていますし、映画の設定の話ではありますが、ターミネーターの骨格はタンタルで出来ている逸話(熱濃硫酸を浴びても溶けなかった)が描かれていたのを覚えている方もいらっしゃるかもしれません。



■宝飾材料としての魅力について

プラチナは、約100年前に宝飾王カルティエが採用して以来、ウェディングジュエリーの素材として確固たる地位を築いており、価値は保証されています。

ただ、宝飾材料として見た場合、パラジウムもプラチナとほとんど同じ見た目ですし、もっと言ったらステンレスとプラチナの色はほぼ同じなので、魅力的な材料なのか?というと疑問です。

プラチナはわずかに黄色味を帯びるため、ロジウムメッキをかけて白く見せるブランドもあるぐらいです。そういう意味では、ロジウムやイリジウムの方が白く美しい輝きです。


一方で、この世に存在する金属の中で最も黒い金属であるタンタルは、並ぶものがありません。

好みは別れると思いますが、この黒色は、他のどの材料とも違う深みと落ち着きがあります。

ちょっと前に、スイスのオーディマピゲが、タンタルを使った腕時計を発表して注目を集めましたが(タンタルの磁性がムーブメントに影響があるということで後には続きませんでしたが)、ものすごい価格がついていますので、興味のある方は「オーディマピゲ タンタル」と検索して見てみてください。



■宝飾品として身につける場合の安全性について

王水に溶けるプラチナよりも、王水にさえ溶けないタンタルの方がより耐食性が高く、金属アレルギーの原因にならないため、安全です。(金属アレルギーは、人間の体液によって溶けた金属イオンに、免疫の過剰反応が起こることで発症します)

プラチナで金属アレルギーが出るかたは稀にいらっしゃいますが(プラチナに混ぜられたパラジウムに金属アレルギー反応が出ている方も多いです)、タンタルはそんな方でも、安心して身につけていただけます。





タンタルは、じつに素晴らしい宝飾材料なのです。


僕がこれまでに作ってきたタンタルの指輪は、こちらで公開しています。
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