意識はどうして生まれた、その11

 

地球上に生命が誕生し、単細胞から多細胞へ。

そして神経系を有する高度な生きものが生まれた。

 

植物と違い、動物は動く。

どの方向を選ぶか、

逃げるのか戦うのか、

配偶者の選択、

動物は絶えず選択を迫られる。

選択を間違えれば、直ちに、死となる。

 

過去情報の記憶が増えるに従い、

判断が複雑になっていく。

個体にとって、もっとも有利な選択。

 

そのためには、今現在の情報と過去の情報(記憶)を

一度に概観する映像が不可欠。

それが意識のもとになっている。

 

故に、カラスや猫も意識があると推測できる。

意識はあるが、意識自体を意識することはない。

人だけが、意識があることを意識できる。

これは、抽象化という脳の働き。

多くの事柄から、共通性を見つけて、それを概念化する能力。

数を作ったのも、概念化の能力。

 

多くの動物は、同じ種の中で、コミュニケーションできる。

仲間の間の意思疎通。

社会生活に不可欠なもの。

 

蟻は、主に臭覚でコミュニケーションしている。

 

人は主に言語でコミュニケーションする。

人が作った言語は、実に多様であるが、

共通性があるという。

人の進化、脳の進化が同じようだ。

20万年前に共通の祖先。

 

概念化は人の能力の一つ。

しかし、万能ではない。

 

人を取り巻く環境、自然、宇宙、

この世界のすべてを感知できるわけではない。

人の感知能力は限られている。

 

観測機器などの道具が発達しても、

人の感知できる範囲が限られている。

 

人は自分自身の内面やこころさえも、知りえない。

なぜ、このひとを選んだのか、それも不明。

なぜ、こんな好みや趣味があるのか、それも不明。

 

人の能力が限られているからだ。

 

つづく