違法薬物の使用者は、世界で約2億人。

その中で依存症の人は、約2000万人という。

 

日本では約200万人の使用者がいる。

依存者は20万人くらいだろう。

ほとんどは治療を受けていない。

治療の場が非常に少ない。

私の知り合いにもいるが、外見は普通にやっている。

普通と言っても、ギャンブル狂いだが。

 

国連の推計によると、麻薬取引は世界で約70兆円になるという。

アメリカだけでも約20兆円。

 

薬物禁止による弊害と、依存症による弊害のどちらが大きいのか?

例えば、アメリカの場合、薬物使用者や売人の逮捕と裁判、

そして刑務所にいれる費用の総額は、約5兆円になるという。

 

もし、薬物取引にも、アルコールやタバコと同様に課税したら、

一年で、約5兆円も歳入を増やせるという。

 

差し引き、年10兆円を使えば、

アメリカもポルトガル並みに、

依存者一人ひとりに手厚い支援ができるようになるだろう。

 

総合的に考えて、薬物依存の問題に対しては、

依存者たちが生きる意義や生きがいを見つけ出せるように支援するのが

もっともメリットが大きい施策といえる。

依存者が社会復帰できれば、それだけ社会は健全になる。

 

現状の厳罰化で、刑務所も施設も、有効に機能していない。

出所すれば、再犯を繰り返すしかないだろう。

ポルトガルの実践が良い実例になっている。

 

依存症は、当人のこころが弱いとか、

精神的な問題があるとか、

様々に言われる。

 

どのように対応したらいいのか。

当人たちの気持ちや環境や感じ方に寄り添うしかないのだが。

各人で事情が全く違う。

一般的に、自分と違う人たちへの理解は、難しい。

他人に対して共感する能力は、人により様々。

 

孤立が一番いけないのだが。

ひとり一人に、その人に適した対応が必要なのだが、

社会がそれだけの許容度があるかどうか、

豊かさと人々の賢さがあるかどうか。

 

自分だけ良ければそれでいい、という社会では不可能だろう。

 

いじめ問題や引きこもりの問題とも通じている。

ギャンブル依存やアルコール依存も同様。