死は特別なことではないと書いた。
勿論、当人にとっては少し特別かもしれない。
生が突然に中断、理由もなしに。
全ての死者は自分が死んだことも知らない。
意識がないから当然だが。
誕生したとき、突然生が始まり、
突然に生が終わる。それが人の一生。
そして、人は死を体験できない。
生の前が体験できないのと同様に。
人にとって、死はないと同じ。
誕生の前がないのと同じように。
生に執着あれば、死はイヤかもしれない。
しかし、生は執着するようなものだろうか。
いかに大人物でも、死後の代わりはいる。
むしろ、生き続ける弊害の方が多いのが普通。
この世には、善人も悪人もいない。
勿論、優れた人も立派な人もいない。
賢くなろうと努める人はいるが。
死は特別でないように、
生も特別ではない。
今朝も台所で、蟻を数匹殺した。
蟻さんの生も突然終わる。
特別なことではない。
当人以外の周囲の人にとって、
死は悲しみや喪失の対象になるかもしれない。
生きて再び現生を謳歌できないのだから。