モノの数を数えることは、

人の社会生活に大変役立つ。

 

数万年前の遺跡に、骨など数を刻んだあとが見つかっている。

人々にとって数はとても重要な道具。

経済生活となると、数がなくして成り立たない。

 

人は言葉という概念を使い、コミュニケーションだけでなく、

学術や芸術など色々なことをやっている。

言葉(概念)は便利な道具。

 

言葉(概念)の一つに、数がある。

 

人が使う言葉・概念は、役立つが、

すべての言葉(概念)に、指し示す明確な対象はない。

 

例えば、リンゴ。

リンゴなるものはあるが、

ある特定のリンゴを指し示してはいない。

このリンゴというように、「この」という指示が必要になる。

リンゴという言葉はあいまいな概念。

 

言葉(概念)は人が作った架空のイメージ。

 

数も言葉や概念の一つ。

例えば、1という数を取り上げると、

勿論、指し示す明確な対象、実体はない。

 

人が作った数という概念は架空の実体。

数の基本単位として1。

1はどこまで行っても1のまま。

この世界(宇宙)にどこまで行っても同じものはないだろう。

時間や場所が変われば、何でも変化するのが普通。

 

1は途中で2に変わることはない。

全ての1は同じ。1=1。

これもありえない、

この世界(宇宙)で同じものはないだろう。

時間や場が違えば、ものは変化する。

全ての事象は、周囲の影響をうける。

 

この世界、宇宙を見ていて、

基本単位があるとは思えない。

すべての事象は、どのように小さなことから大きなことまで、

分割できるとは限らない。

分割すると、事象に変化が生じる。

前と違ったものになるのが普通。

 

この世界。

すべての事象は、単独で存在しない。

すべて事象は相互に影響を及ぼし、作用しあっている。

1億光年離れていても、互いに影響している可能性もある。

素粒子といえど、単独では存在しない。

 

例えば、陽子という素粒子。

非常に安定しているという。

壊変することは非常に稀。

 

陽子はさらに微少な素粒子でつくられている。

内部は常に(一瞬の休みもなく)変化している。

常に不安定に変化しているが、全体として安定しているように見える。

人が知るのは、この安定さ。

 

微少な素粒子の間の相互作用は

良く分かっていない。

たぶん、粒ではなく、エネルギーのような不安定なものだろう。

 

この世に粒として安定しているものはない。

光子も粒ではない。

常に変化している。

 

事象は分割できない。

さらに、すべての事象は、互いに作用しあっている。

 

故に、数でとらえることはできない。

数学や科学の限界。

 

しかるに、今の数学と観測技術で、

いろいろな事象が分かるようになった。

何故か、

これは、今のところ、微少な変化を捉える観測技術が

発達していないから。

 

今の科学と数学で、自然現象の

大まかな変化なら、捉えられる。

それが現状。

加速器などの限界。

 

微少な世界に粒はない、

かたちも位置もない、

周囲と相互作用し、

常に変化している、

とらえようのないエネルギーのようなもの。

 

さらに、場も常に変化している。

そこでは座標をつくることさえできない。

 

つづく