商工会議所は1年半。

結局やめることになった。

専務は何度も慰留したが。

 

大きな問題があったわけではない。

中小企業診断士の試験勉強は進まない。

勉強先送りの癖が治っていない。

 

その頃は、司法書士の試験も考えた。

これも勉強先送りでは手につかない。

 

商工会議所に勤めていれば、別の生き方があったかもしれない。

もしかしたら、専務くらいにはなっていたかも。

同僚が2人、なっている。

地元の名士たちの下っ端。

 

20代の私は、人生の先がまったく読めない。

何をしたいのか、分からない。

何ができるか、そこに確信がない。

勉強先送りの悪癖と吃音。

 

高校の頃からの夢はあった。

世の中を変えたいと。

社会問題に強い関心。

学生運動を頑張った思い。

 

しかし、現状。

とにかく、生活するしかない。

結婚し、子どもが生まれて、少しだけ焦った。

焦っても、どうしようもないが。

 

30歳になって、サリンジャー「ライ麦畑でつかまえて」を

原文で読んだ。

これで、英語に自信がついた。

英語が一番のネックだったようだ。

そして、大学受験挑戦を決めた。

半年あれば、どうにかなると思っていた。

 

家庭教師をしながらの受験勉強。

これは、とても充実していた。

空き時間は、子どもの守り。

 

高校の勉強がこれほど楽しいとは、

大発見だった。

 

医療短大に入り、楽しい学生生活。

10歳以上年下と一緒に学ぶのも良い経験。

受験勉強しないで第一種放射線取扱主任に合格。

卒業後は、近くの町立病院に就職。地方公務員。

3年でやめる。

ここにいては成長できない。

 

実家近くに家を建て、技師は半日勤務で、学習塾を始める。

親の土地、建物は公庫から借金と親から無税の贈与。

毎月の返済が約4万円。

塾は結構楽しかった。

 

生活が落ち着いたので、

ボランティアを始める。

40代と50代、エネルギーの大半をそそいだ。

 

つづく