自分の頭で考えるとはどういうことか、という質問が時々ある。

 

私の場合、自分の頭で考え始めたのは小学5年くらいから、

吃音が始まったとき。

 

この問題を何とかしないといけない。

しかし、これは誰にもあることではない。

当時の私に、良い知恵を授けてくれる人は誰もいない。

教師も親も。

私は吃音を恥じていた。

恥じているから、できるだけ隠す。

表面的に平気を装っていた。

 

どんなに大きな苦悩があっても、

人は平気を装うことができる。

 

もし、悩みをうちあけ、困っていることを正直に訴えていれば、

吃音矯正所くらいは教えてくれたかもしれない。

しかし、実際、そういう所のほぼ99%はインチキ。

二次被害を受けたかもしれない。

今思うと、助けを求めなかったのは正解だった。

(矯正所の多くは、吃音体験者が自分独特の流儀を

押し付けるもので、誰にも効果があるものではない)

 

自分の独力で、何とか解決法を見つけなくてはいけない。

小学高学年の私は、毎日、呻吟した。

これが、自分の頭で考えるという習慣になっていく。

 

つづく