人体をつくっているのは約40兆の細胞。

しかし、それ以外が圧倒的に多い。

人体に寄生している微生物たち。

彼らが、実質的に人体を守り維持している。

 

人体という宿主とパラサイトの関係は複雑。

その多くは互恵関係にある。

相互に有益な関係。

例えば皮膚には無数の細菌類がいる。

彼らがバリアーをつくり外敵から守っている。

 

細菌(大腸菌などのバクテリア)は約100兆。

それぞれの細菌には、その種固有のパラサイトであるウイルスがいる。

細菌一個につき、複数いるのが普通。

だから、数で云えば、圧倒的に多い。

 

例えば、大便に含まれる細菌は約20兆という。

このように小さいものに多数の生きものが密集している。

珍しいことだとう。

最近では、健康な人の便を患者に移植する治療もある。

大便中の細菌も役に立つようだ。

 

人体の世代交代は遅い。

しかし、細菌は約30分で世代交代する。

だから、進化のスピードも速い。

 

例えば、新型コロナウイルス。

人体を宿主にするのは初めてだろう。

最初は馴染めないので、いろいろと悪さをする。

しかし、急速に人体に適応していく。

宿主との関係を安定化していくだろう。

 

人体中には沢山の種のウイルスが寄生している。

免疫系の攻撃を逃れて隠れている。

血液中は免疫細胞が多いので、ほぼいないだろうが。

人体には隠れ場所が無数にあるようだ。

 

新型コロナのもともとの宿主はコウモリ。

人体に寄生するシラミも、もともとはコウモリに。

20万年まで、人は洞窟に住んでいた頃に人体に寄生。

洞窟生活を離れて、人体に寄生するシラミは別の種に進化した。

5万年まえ、衣服を着るようになり、新たな種も生まれた。

 

つづく