澤地久枝著「自決こころの法廷」を読んだ。

 

太平洋戦争を遂行した当時の高級将校たちの気持ちが

詳しく書いてある。

 

1945年8月15日未明。

阿南陸軍大臣が自決。

クーデター未遂後に自決した二人の佐官と同じ場所で荼毘に付された。

 

どのくらい数の軍人が自決したのか、正確な調査は未だにない。

額田担編の「世紀の自決」には、

568名の名前と自決の状況がまとめられている。

しかし、実際には記載もれの数はもっと多いようである。

 

澤地さんの本の主人公・親泊朝省大佐は享年42歳。

9月3日に自宅で自決している。

家族(奥さんと子供ふたり)も一緒である。

 

軍人たちの純情と勇気が詳しく書いてある。

特に、親泊朝省(おやどまりちょうせい)さんは、

いつも仲間への思いやりや朗らかさを失わない愛すべき性格で

仲間に慕われていたようだ。

 

この本は、戦争を賛美した本ではない。

分かっている事実を正確に記している。

それだけに、強くこころをうつ。