老後、暇になったら、人は何を楽しみにするのだろうか。

もし、身体が動けるなら、地域活動か。

得意なスキルを活用できるかもしれない。

沢山の人と接する時間は、充実感があるだろう。

 

私は、旅行もやめたし、

外出しての付き合いもほぼ止めた。

面倒なことはしたくない。

 

私の場合、できることは読書くらいか。

今まで読んだことがない本を読んでいる。

 

今、読んでいるのは、

ウイルス学者が書いた「ウイルスはささやく」武村政春著。

この本はおもしろい。

 

地球上の生きものは共通の祖先をもつ。

そして多様な種に枝分けれしてきた。

遺伝子のサイズも多様。

 

もっとも数が少ないのは、

バクテリアの一種で12万塩基対に満たず。

 

もっとも大きな遺伝子サイズをもつのは、

単細胞生物のアメーバの一種で、6000億塩基対。

 

私たち人は、32億塩基対。

その半分近くは、ウイルスからの借り物。

 

地球上で数が多い生物は、何だろう。

人体ひとりに、約200兆の微生物が共生している。

 

地球上の微生物数は、10の33乗という推定もある。

ウイルスの宿主になるのもアメーバなどの微生物。

 

ウイルスと人体を大きさで比べれば、

地球と猫の違い。

 

ウイルスの生き延びる能力がすごい。

もし、環境が悪くなれば、岩石のようになって生きる。

宇宙空間でも生き延びるかもしれない。

 

ウイルスは、生存に必要なタンパク質を、

宿主の中で、宿主の中身を使って作る。

しかも、タンパク複製のための遺伝子も宿主から借用して。

ウイルスが子孫をつくるときも、

宿主の中で、宿主の素材を活用。

 

実に賢いやり方だ。

他の生きもので代用できるものは全て活用して、

自分の所有物は最小で済ます。

そして、

子孫は何万とまき散らす。

 

地球上にウイルスの宿主は、

10の34乗よりも多いだろう。

ウイルスは地球の主かもしれない。