138億年前のビッグバン(宇宙のある場所で生じた)で、

あらゆる方向へ、満遍なく散らばっていった宇宙背景マイクロ輻射。

それはほぼ均等に広がっていった。

この宇宙に特別な点はない。

これらの光は、再び出会うことはない。

138億年の孤独な旅だ。

光速でまっすぐ進む。

 

138億年の旅の末に、

地球上に、また再び、満遍なく降り注ぐ。

宇宙のあらゆる方向から、平等に降り注ぐ。

そして、138億年ぶりに地球近辺で出会う光。

 

一点から発した光が、

138億年を経て、

また、一点(地球上)に帰ってくるような。

 

もちろん、地球だけでなく、

この宇宙のあらゆる星に、同様に、

降り注いでいる。

 

ビッグバンから138億年。

ちょうど、地球の今が、その138億年の年齢。

 

このマイクロ輻射は、数万年後には、

地球から数万年光年離れたかなたに

飛び去っているだろう。

もう再び、地球を訪れることはない。

 

地球から見て、

ビッグバンの中心を宇宙の中心と仮定して、

宇宙の中心はどの方向かと、問うと。

答えは、空一面が中心になるだろう。

 

光子は直進する、曲がることはない。

ビッグバン宇宙から全方向に広がった光。

138億年を経て、再び、地球という一点に集まる。

不思議なことだ。

 

中心とは、半径138億年の宇宙の果てのことらしい。

宇宙の果ては、また、初期宇宙を示している。

初期宇宙の中心でもある。