若い頃は理解できなかったけど、年取ってから魅力に気付いたものがありますか?という質問。

私の回答は下記。

 

若い頃は、純情で一途です。

世の中を良くしなければいけない。

人類の未来とか、社会の進歩とか、全ての人が幸せになるように志向するとか、

要するに社会奉仕、ボランティアの精神です。

お金は汚い。貧しい人にもチャンスを。自由や平等の理念です。

 

年取ると、そういう憑き物がなくなります。

まず、この世が素晴らしいという思い込みがなくなります。

勿論、この世は事実、天国で楽園ですが。

全ての人にとって楽園とはいえません。

社会の進歩という幻想もなくなります。

 

生きるのに意味があるはず、若い頃は皆、そう思います。

しかし、年取ると意味がないと分かります。

私や自分という存在、そのものも怪しくなります。

 

私は、自分という概念は思い込みの幻想だと考えるようになりました。

私の推測では、22世紀は国や国境のない時代となります。

人類社会が生き延びるみちはその方向しかないからです。

 

年取ると分かる魅力とは、私や自分がなくなる魅力です。

私という牢獄からの解放です。

とても気楽になります。

何があっても幸せという実感です。

 

若い頃は、努力など精神的な働きが重要ですが、

年取ると努力がいらなくなります。

精神がいらなくなります。

ただただ、楽園で楽しめばいいだけになります。

遊園地で遊んでいるだけでいい、それが年寄りの特権でしょう。

 

私がないのだから、私に肥やしを与えて、耕すことも不要になります。

成長は不要です。

そして、死も気持ちいいものとなるでしょう。