同級の一人に、企業から派遣され、

ケンブリッジで研究を数年やった人がいる。

 

ホーキングさんと同じ場で研究し、

昼食時に何度も見かけたと言っていた。

 

彼の自慢は、自分の研究論文が、

資料室に残っていること。

 

派遣から会社に戻り、

外国企業との共同チームのリーダーとなり、

プロペラ開発に乗り出す。

その時のストレスで、アル中が酷くなり、

結局、会社を辞めることに。

 

大学に戻ればいいのに、

教授とも喧嘩別れ。

次に勤めたのが、日本IBM。

そこも長くおれず、退社して故郷へ。

アル中でDV。離婚するはめに。

優秀な子どもが3名いた。

その頃、私も親しくなり、

時々家へ差し入れに。

昼間から飲んでいた。

 

ある時、塾に求職したが、

摸擬授業で評価が悪く。採用されなった。

 

数学も教えられないのかと、

私は愕然とした。

その頃、私も学習塾をやっていた。

 

小学、中学、と神童だったらしい。

私とは高校で一緒になった。

しかし、一度も親しく話したことはない。

私のような劣等生は無視されていた。

 

一流大学、一流企業へと進み。

優秀さを見込まれてケンブリッジへ。

 

彼の人生を見ると、

あわれに思える。

プライドだけは、超一流だったが。

 

ケンブリッジに名前が残っていると

語っていた。

 

名を残すことに、

それほどの価値があるのだろうか。

 

先日書いた23歳の家老さんも、

名を残すことだけはできたけど。