人類は、数百万年の間、多くて100名くらいの小集団で生き延びてきました。

集団内部のもめ事を少なくし、団結を維持しないと生き延びることはできません。

人の知能が進化したのは、このためです。

農業が始まり、人口が増え、人の集団は大規模になりました。

ギリシャの民主主義も多くて数千名の規模です。

この人数でさえも、代表者を選ぶのは難しかったようです。

異なる言語・宗教・風習をもつ他集団との争いは、武力で解決するのが通常でした。

交渉よりも武力です。

産業革命と技術革新で、武力の高度化が達成されました。

大量殺りく兵器です。

現在の国際政治や安全保障は、強国の間の相互抑止と信頼づくりという基礎の上にあります。

もし、将来、大規模戦争が起こるとしたら、相互抑止と信頼が壊れるときです。

 

21世紀は、国々の間で、また国内で、貧富の格差が最大化する時代です。

従って、紛争は絶え間なく起こるでしょう。

加えて、難民増加や大災害による問題があります。

地域限定の小規模な衝突や内乱や戦争は、絶えることがないでしょう。

 

では、20年以内に日本が戦争に巻き込まれる可能性は?

朝鮮半島での戦争は、可能性が少ないと思います。中国のにらみがあります。

台湾と中国の戦争も可能性が少ないと思います。中国もアメリカも望まないでしょう。

ロシアとアメリカの間も、可能性が少ないでしょう。

尖閣をめぐる中国と日本。これも、双方が自制すれば、戦争は起きないと思います。

 

21世紀は、人類社会の様々な問題が顕在化する時代です。

地球生態系と環境の破壊がますます進みます。

AIやロボット進化と人との関係。民主主義の進化の方向。

国際政治と国の関連。

経済の民主化など、難問山積みです。

いずれも、解決が見えていません。

混沌と失敗や挫折の21世紀となるかもしれません。

 

21世紀末には、世界の人口減少が始まります。

その頃には、税の世界共通ルールなど、新たな国際秩序が作られているでしょう。

22世紀は、教育や福祉の世界共通化、

地球人類社会の一体化が実質的に進展するでしょう。

国や国境の消滅です。

その方向にしか解決は見られないと思います。

 

21世紀の初頭は、トランプさん、安倍さんなど、

リーダーの資質が疑われる人がトップになった特異な時代です。

しかし、隠れていた問題を顕在化させる意味があったと思います。

GDP経済成長優先や金融資本優位で現れた問題です。

 

GDPに代わる新たな経済指標がつくられる時代になります。

生活や人生の質が重視されるようになります。

 

つづく