国内に流通している日銀券(紙幣)は、110兆円。

そのうち、約50兆円は、どこにあるのか不明。

 

こういうところにあるだろうと思われるのが、

地下経済。

 

地下経済は広い。

非合法な経済活動のすべてが含まれる。

明かな違法。

例えば、麻薬、恐喝などの犯罪、汚職から、脱税もふくまれる。

 

ちょっとした脱税は、小口決済の多い事業者にとって、

違法という感覚はないかもしれない。

 

経費節減という誘惑に負けて、事業者が行う脱税。

アメリカのデータで、歳入庁の抜き打ち税務調査によると、

大体、50兆円と見込まれている。

例えば、農園主が不法移民を雇うのがこれにあたる。

日本の経済規模に換算すると、約10兆円分の脱税に当たる。

 

犯罪を除く、地下経済についての研究がある。

オーストリアの経済学者フリードリヒ・シュナイダーの推定では、

GDPとの比較で、トルコの29%、ギリシャの25%、イタリアの22%、

日本は9.2%となっている。

これによると、日本の地下経済は、約50兆円。

これらに掛かる脱税分は、税率20%としても10兆円になる。

故意に隠した所得税・消費税、社会保障費など脱税の合計である。

 

日本の場合、地下経済の中で、犯罪組織が関連する割合が、

先進国の中で大きいと見られてる。「現金の呪い」ケネス・ロゴフ著。

日本で地下経済が発達した理由の一つに、

税法の適用面に問題があると言われている。

 

地下経済は、あらゆる所に顔を出す。

例えば、公務員や政治家への賄賂。

世界銀行の調査では、世界の賄賂の推計は、約2兆ドル。

240兆円にのぼる。

その大半が現金である。

そして、汚職による経済損失は、その数倍に達するだろう。

 

上記をまとめれば、

日本の現金のありかが大体推定できる。

約50兆円は、不正に蓄えられ現金であろう。

もし、新円切り替えで、お金の経歴を明らかにする制度が作られたら、

これらのお金は、どこに行くのだろうか。

 

つづく