民主主義の制度で、肝要なのは、選挙。

集団の中で、リーダーを選ぶ仕組み。

 

問題や課題の解決は、

役割分担して、組織的に対応しないと、

効果的に解決できない。

それには、

全体を俯瞰できるリーダーが必要となる。

 

人を選ぶには、

前提となる条件がいくつかある。

 

一つ、人を見る能力が養われていること。

 

これには、幼い頃から、集団で問題解決する経験を重ねて、

リーダーにふさわしい人を判断できる能力の育成が必要。

 

ある年齢(18歳)になって、突然、選挙権を与えられても、

人は使い方が分からない。当然のこと。

 

小学校の低学年から、集団の自治に習熟することが絶対条件。

中学や高校ともなれば、学校内の全ての行事(カリキュラムなど)の

自主的な自治が完成できるようになることが必要。

教師や大人の役割は、補助や助言という脇役。

 

一つ、リーダーの交代を円滑にする。

役に不適な人を選んだ場合は、速やかに交代する習慣をつくること。

リコールなどの制度のこと。

 

年齢や地位などの外部要因ではなく、

人を、信頼できるかどうか、尊敬できるかどうか、

素直に従うことができるかどうか、などの人柄で見るという習慣や態度が大切。

この態度を養うことが、教育の最大の目的。

一言で云えば、民主主義社会の主権者をつくる教育。

 

そういう見方を学生時代に身につけることができれば、

成人して、多様な人と共に働いたり、協働作業をするようになり、

グループやチームで対等な立場で協力しあうことが、できるようになる。

 

上から命じられてする、というような

奴隷のような考え方、感じ方は、

社会の中から消えていくだろう。

 

そうなって初めて、

選挙制度も民主主義も、うまくいくようになる。

 

(民主主義のバージョンアップを、その5)

 

つづく