22歳のアレキサンダー大王は、ペルシャ遠征を開始した。

そのとき、ある哲学者が大王に尋ねた。

「大王さまの最終目的は何でしょうか」

 

大王は答える。

「もちろん、世界征服」

「まず、アナトリア半島を征服する」

 

哲学者はさらに質問。

「次は、どうされます」

大王は答える。

「エジプトを征服」

 

哲学者はさらに質問。

「その次は」

大王の答え「ペルシャの征服」

 

「その次は」

「中央アジアの征服」

 

「その次は」

「インドを征服しよう」

(その時代の世界はインドまで、中国は別世界)

 

「その次は」

「国に帰って、ゆっくりしよう」

 

哲学者は、さらに質問した。

「最終目的が、帰国してゆっくりされるのなら、どうして、

今すぐに、なされないのでしょうか」

 

哲学者の質問は、あまりにも愚問。

精力と知恵に溢れた22歳の大王にとって、

休息は、目的にはならない。

 

大王は、全ての目的を達成後、遠征途上で、32歳で病死。

さすがに、長年の勤勉な労働に、肉体が耐えられなかった。

 

年老いたら、

たいがいの人は、休息に入る。

青春時代から老人になるまでの長い間、

世や人のために奉仕してきたのだから、

そろそろ、休んでもいいと思う。

 

自分中心の生き方を始めても、

いいのではないかと思う。