老人の特典、人生の決算ができる。

体力がない、新規投資はありえない。

人生の締めができる。

 

私の場合、人生を振り返り、

最大の気掛かりは、妻のこと。

お互いに古稀まで生きられたのが、最高の栄誉。

 

私は良い夫ではない。

そうとうな変人。

妻も、良い妻とは云えない。

まさに、破れ鍋に綴じ蓋。

 

悪妻は百年の不作ということわざがある。

私に言わせると、

悪妻は、男を鍛える。

悪妻こそ、得難い宝ものだと思う。

 

もし、不運にも重度障害者。

例えば、こころの病の妻を得たなら。

それだけで、一生の生きがいとなりえる。

禍こそ、福の源泉。

 

先日書いた、35年の路上生活者。

紙面から読み取れる情報はわずか。

私の推測で想像してみるに。

 

日雇いの仕事になじんでいた。

路上生活ができる体力に恵まれていた。

これだけでも、すごい幸運だ。

 

一日働いて、7千円もらい。

風呂に入って、夕食や屋台。

いくらか酔って、いい気分で眠る。

星空が見える公園。

ときに、アベックを覗き見て。

拾った週刊誌で楽しみ。

時に仲間とカン拾い。

賞味期限切れの弁当も美味しい。

路上生活でも知人はできる。

助け合うこともあるだろう。

立派な人生だと思う。

 

さすがに、彼も恋人まではいなかっただろう。

女がいれば、普通の生き方に戻っていたかも。

 

男にとって、

女の存在は大きい。

人生で最大の生きがいではないだろうか。

 

悪妻なら、なおのこと素晴らしい。