現役の頃、私は68歳まで働いていた。

数年前まで、こういう感じ方はなかった。

 

ほとんど毎朝、感じる。

ああ・・こんなふうに朝を迎え、

満ち足りた朝がやってきて。

 

足もとが浮いている感覚。

確かなものは何もない。

 

地上100mくらいところで綱渡りして、

落ちそうだけど、落ちない。

まるで、日本経済のような不安定さ。

(国債金利がいつまで安定しているか)

 

あるいは、巨大隕石が地球に衝突する前のような。

 

今、現在の安定は、

あまりの幸運が重なっている感じ。

 

私が生きているというのは、

まさに、奇跡という実感。

 

人が、努力したとか、頑張ったとか。

偉そうに言っても、ただそれだけ。

ただ、幸運なだけ。

 

天才は、1%の才能と、99%の努力というが、

私に言わせると、

努力といっても、遊んでいただけではないか。

学生時代に勉強を頑張るとか、それも遊んでいるだけ。

 

起業して、チャレンジして、いろいろと試行して、

人のつながりを作って、人の輪を築き、社会貢献。

出世や成功を勝ち得たというが、

ただ、遊んでいただけではないかと、思う。

 

人は、一つのことにはまり込むと、

依存症になりえる。

楽しみと苦しみの境界が消えていく。

 

努力というのは、

自分を持ち上げるために言う言葉、自己弁護。

自尊心をくすぐる。

 

自分がなくなれば、

努力も不要になる。

 

年取ると、この世が確かでなくなる。

当然、自分も不確かになる。

努力することもなくなる。

幸運に甘えることしかできなくなる。